蛇口の先端に付いた水垢にはクエン酸のつけ置きが効果的ですが、実際にやっても全く落ちない場合こともあります。
クエン酸で効果が無い場合、カルシウムを溶かす塩酸や硝酸の入った、より酸度の高い洗剤を試しますが、それでも洗浄効果がないことも・・・
ここまでやって効果が無いと、あきらめたり、研磨シートで物理的に削ろうとする方も多いと思います。
洗剤では落とせない。と思ってしまいがちですが、実は効果のある洗剤があります。
本記事ではこのような、強力な酸性洗剤を使ったのに落とせない水垢を落とす方法を紹介します。
この洗剤を使いました。
蛇口の先端に付く汚れ
蛇口といっても、キッチン・浴室・洗面台等で付着する汚れは異なります。
必ず付く水垢以外に、キッチンでは食器を洗った際の洗剤の泡や、食べ物カス。
浴室・洗面台では石鹸カスや皮脂汚れなど。
水垢に比べると落としやすく、クエン酸や強力なアルカリ洗剤なら簡単に落ちる汚れです。
問題なのは水垢汚れで、クエン酸につけ置きしても全く汚れが落ちない。なんてこともあります。
さらに強力な酸性洗剤を試される方も多いですが、それでも落ちなかったと経験した方も多いのではないでしょうか?
蛇口の先端に付いた水垢を落とす方法
掃除の際は以下の順番で試してみてください。
- クエン酸でつけ置きする
- 塩酸や硝酸入りの洗剤で溶かす
- フッ化アンモニウム入りの洗剤を使う
細かいキズが付いても良ければ「物理的に削る」方法もあります。
クエン酸でつけ置きする
水200mlにクエン酸5gを溶かしたクエン酸水に30分ほどつけ置きし、水垢を溶かします。
効果を高めるために、界面活性剤の入った中性の食器用洗剤を数滴混ぜると、浸透力があがって溶けやすくなります。
クエン酸以外には、浴室用の強力な酸性洗剤でも同等の洗浄効果があります。
クエン酸でのつけ置きのように30分も待つ必要がないので、時間をかけたくない方におすすめです。
塩酸や硝酸入りの洗剤で溶かす
蓄積したカルシウム汚れなどは酸性度が高いほど効果があります。
そのため、クエン酸や浴室用の酸性洗剤で落ちない場合は、サンポールなどの塩酸や硝酸の入った酸性度の高い洗剤を使用します。
カルシウム汚れ専用の洗剤もあるので気になる方はお試し下さい。
塩酸や硝酸はクエン酸と比べると強い酸なので、ステンレスなど2~3分程度で変色させるため、使用時は注意が必要です。
フッ化アンモニウム入りの洗剤を使う
塩酸・硝酸などの強力な酸でも取れない水垢を、洗剤で溶かすには「フッ化アンモニウム」の入った洗剤を使用します。
水垢の種類で最も落としにくいと言われる、「シリカ系の水垢」を溶かす作用があります。
業務用の洗剤となるため、ホームセンターでも取り扱いがほとんどないため、ドラッグストアでは販売されておらず、Amazon等で購入するのがおすすめです。
危険度の高い成分ではありますが、サンポールなどの塩酸や硝酸の入った洗剤と比べると、ステンレスを変色させるまでの時間が長いため、ハウスクリーニングのプロはシンク掃除にも使用することもあります。
多少キズが付いても良ければ、物理的に削る
コストを抑えながら水垢を取る簡単な方法ですが、研磨によって素材表面に細かいキズが入るため、あまりおすすめしません。
水垢が取れてキレイになったとしても、細かいキズによって汚れが付きやすく、汚れが取りにくくなります。
研磨する際は下記記事をご参考ください。
クエン酸やサンポールでも取れない原因
水垢にはクエン酸のつけ置きや、強力な酸性洗剤が効果的ですが、使用しても全く落ちない場合もあります。
理由は「水垢の種類」が主な原因です。
クエン酸で落ちない理由
カルシウム汚れのような水垢が厚くなった部分には内側まで成分が浸透せず、表面から徐々に溶かす必要があります。
界面活性剤を含む洗剤を混ぜると浸透力は多少上がりますが、クエン酸は酸度が高くないため、頑固な水垢は落としきれない場合があります。
サンポールなどの塩酸・硝酸入りの洗剤でも落ちない理由
クエン酸よりも酸度が高いため、カルシウム汚れなどは液剤をかけると発泡しながら溶けていきます。
ただし「シリカ系の水垢」には効果がなく、落とすことができません。
一般的に水垢は酸度が高いほど落ちやすいですが、例外なのがシリカスケールで、酸度が高くても効果がない性質を持ちます。
フッ化アンモニウム入りの洗剤を使う
シリカスケールを落とすには「フッ化アンモニウム」の成分が入った洗剤を使用します。
ハウスクリーニングのプロも利用する業務用の洗剤になるため、一般の方では購入できないものが多いですが、本記事で使っている「テラクリーナーヤマトEX」ならAmazonでも販売されています。
テラクリーナーヤマトEXで溶かす
準備するものは以下の5つ。
- テラクリーナーヤマトEX
- 使い古した歯ブラシ
- プラスチック製のバケツ等
- ゴム手袋(必須)
- マスク・ゴーグル(今回は使用せず)
キッチンのシンク内でやる際は、洗剤がステンレスに長時間付着しないように、プラスチック製のバケツなどの容器を用意して作業しましょう。
使用前の汚れた状態
蛇口の先端部分(別名:シャワースクリーン)に付いた水垢ですが、クエン酸につけ置き
塩酸入りの洗剤を試しても溶けなかった汚れです。ヘッド本体のメッキ部分も同様に水垢が付いています。
汚れに洗剤を付けてブラシでこする
使用する範囲が少ないため、小さじ1杯程度の液剤をプラスチックの容器に注ぎ、今回は原液のまま使っています。
歯ブラシに洗剤を付けてシャワースクリーンの半分に塗り広げます。
60秒ほど放置し、ブラシでこすって水で流します。
水分を拭き取った状態
ほとんど時間をかけていないにも関わらず、水垢が溶けてなくなりました。
残りの半分も同様に使用してみると
メッキ部分に付いた水垢も同様にすると以下の通りです。
使用前後
今回は蛇口の先端(シャワースクリーン)に使用していますが、この他にも浴室の鏡やガラス・シンクの水垢などにも効果的です。
こんなところにも使えました
家の中にできる水垢でクエン酸や塩酸入りの洗剤で落ちない汚れの場合、フッ化アンモニウム入りの洗剤を使用することで、ほぼ汚れが取れます。
家じゅうの水垢を落としたい方はテラクリーナーヤマトEXはおすすめだと思います。
使用する際の注意点
クエン酸などに比べて危険性の高い成分なので、肌に付かないように注意する必要があります。
塩酸や硝酸の入ったトイレ用の洗剤(サンポールなど)と比べるとステンレスがすぐに酸ヤケを起こすことはありませんが、長時間液剤が付くと酸ヤケします。
キッチンシンクで作業する場合などは、作業が終わったらシンク全体に水を流し、掃除用のスポンジなどで念入りに洗剤成分を流しきりましょう。
フッ化アンモニウムのデメリット
ホームセンターやドラッグストアでは販売されていないため、基本的にはネットで購入する必要があります。
また他の強力な酸性洗剤よりも高価で大容量のものが多く、少量のタイプがあっても一般の方には販売していないことが多いです。
まとめ:シャワーヘッドの先端は買い替えもアリ
蛇口の先端についた汚れの落とし方について紹介しました。
クエン酸や塩酸・硝酸の入った強力な洗剤でも落ちない場合は「フッ化アンモニウム」の入った洗剤を使うか、物理的に研磨して落とすかの2択。
ですが、最も手っ取り早くキレイにするならパーツの交換も1つの方法です。
気になる水垢汚れが他に無ければ洗剤を購入せずに、蛇口の先端部分(シャワースクリーン)のみなら低コストで済みます。
蛇口以外に、浴室の鏡・空気清浄機の水垢・ガラスの水垢・シンクの水垢など。
他の水垢にも使用した方は一度お試しください。