キッチンシンクで蛇口一体式になった浄水器の先端、「シャワースクリーン」と呼ばれる部分の水垢汚れ。
水道水に含まれるミネラルが固まったものなので汚いわけではありませんが、ここから出る水を使う。と考えると、抵抗ありますよね。
水垢にはクエン酸が効果的なので、つけ置きしたものの全然取れず…
またカルシウム汚れ用の洗剤を含め、数種類の酸性洗剤で掃除しても完全に落とせず…
業務用の洗剤なら取れたかもしれませんが、危険で取扱いが難しく高価なため、安価でできる研磨シートを使って水垢を削り取りました。
細かいキズが入るため、なるべく避けていた最終手段でしたが、思ったよりもキズが付かずに水垢をキレイに削り取れました。
使用前後の状態
- 研磨シートで削り落とす方法
- 削る前に洗剤でできること
本記事では、削る前にクエン酸でのつけ置きや、専用洗剤で汚れがどの程度落ちたのか?研磨してキレイになるまでの過程を含めて紹介しています。
「研磨は最終手段」まずは水垢を知ること
洗剤で落とせるのであれば、素材に細かなキズを付けてしまう研磨作業は、しないほうがいいです。
洗剤で溶かす場合には、まず水垢の種類は1つではないことを知る必要があります。
洗剤メーカーや掃除のノウハウを語るインスタグラマーの方など、水垢を1つの汚れとして紹介されていることが多々ありますが、一般家庭で付く水垢だけでも実は4種類に分かれることをご存じでしょうか?
水垢の種類に合った洗剤を選ぶと、簡単に落とせることもあります。
ここでは水垢の種類を含め、蛇口の先端に付く水垢がどのタイプなのかを解説しています。
一般家庭で付く水垢は4種類
- マグネシウム系の水垢(金属石鹸)
- 青い水垢(銅石鹸)
- カルシウム系の水垢
- シリカ系の水垢
浴室ではマグネシウム系の水垢(別名:金属石鹸)や、水道水に含まれるミネラルと銅イオンが反応して発生する青い水垢(銅石鹸)が付きやすい傾向があります。
水垢と呼ばれる半分以上の汚れはカルシウム系のもので、シリカ系と同様に水回りであれば場所問わず発生します。
カルシウム系の水垢はヘラやプラスチック定規などでこすると、白いカスがボロボロと取れますが、労力がかかり、付着する部分によっては上手く削れないこともあります。
その際は洗剤で溶かしますが、頑固な水垢になるとクエン酸では効果が弱くて取れないこともあるため、汚れに困っている方も多いと思います。
中でも最も強力な水垢はシリカ系のもので、業者に依頼してプロ用の洗剤で溶かすしかありません。洗剤の使い方も難しく、素人がおこなうと素材を傷めるリスクがあります。
蛇口に付く水垢
蛇口先端に付く水垢は、カルシウム系がほとんどですが、どの洗剤を試しても落ちない場合はシリカ系の可能性が高いです。
シリカ系の水垢は酸性度が高くても解けない性質があり、フッ化アンモニウムと呼ばれる成分の入った洗剤でないと効果がでません。
劇物に該当するため、一般家庭用の洗剤には入っていない成分ですので、業務用の洗剤を使う必要があります。
蛇口先端「シャワースクリーン」についた水垢の落とし方
ヘラやプラスチック定規でこそげとる
蛇口一体型の浄水器を販売している(株)タカギによると以下の清掃方法が紹介されています。
シャワースクリーン清掃方法
シャワースクリーンに白く固まっているのは水道水に含まれるカルシウムなどのミネラル分です。体には必要なミネラル分ですが、放っておくと白い塊になってシャワー部分をふさいでしまい、キレイなシャワー形状にならないことも。ヘラやプラスチック定規でこそげとりましょう。
takagi-member.jp
実際にプラスチック定規でやってみると、水垢が厚くて削りやすい部分は白いカスがボロボロと簡単にできますが、凹凸がある部分は削りにくく、上手く取れませんでした。
取れない場合は以下の方法で洗剤を使って溶かしていきます。
クエン酸水でつけ置き
まずはクエン酸水で溶かします。先端のシャワースクリーン以外もつけ置きして洗浄します。
クエン酸水の作り方は水200mlに対し、クエン酸5gを入れて混ぜるだけです。
しっかり溶かしたクエン酸水に30分程度つけ置きして水で洗い流します。軽度な水垢なら溶けてなくなります。
クエン酸でのつけ置き前後
つけ置き後は濡れた状態の写真なので、中心部が薄くなったように見えますが、拭き取った後を確認するとほぼ変わらず…逆に水垢が目立つ結果に…
強力な酸性洗剤で溶かす
クエン酸で溶けない汚れは、界面活性剤の入った強力な酸性洗剤で溶かします。
界面活性剤によって、水垢に酸が浸透しやすくなります。
洗剤を付けてすぐに洗い流すやり方では、クエン酸水でのつけ置きの方が効果が高い場合があるので、数分間は浸透させるために放置する必要があります。
今回の水垢にはクエン酸同様に無反応で、全く溶けませんでした。
カルシウム汚れを落とす洗剤を使う
クエン酸、もしくは強力な酸性洗剤でも落ちない場合は、「無機酸」が入ったより酸性度の高い洗剤を使用します。
洗剤の簡単な見分け方は、成分に「塩酸」が入ったものが対象です。塩酸によってカルシウム汚れに付くと泡立つ特徴があります。
酸ヤケのリスクはありますが、つけ置きせずに素早く水で成分を流しきることさえ気を付ければ問題ありません。
安価で手に入るものには、トイレ用の洗剤「サンポール」などがあります。ハウスクリーニングのプロなど掃除に慣れた方なら問題なく扱えますが、素人にはリスクが高いため、「カルシウム汚れ職人」がおすすめです。
今回使用した際は、以下の写真のようにカルシウム汚れ職人を付けても無反応(泡立たない)だったため、カルシウム系の水垢ではなかった可能性があります。
カルシウム系の水垢だった場合は下記のように泡立ちます。
カルシウムなどの水垢を溶かす際の注意点
酸性の洗剤を扱う際はつけ置き時間に注意しましょう。
使用する酸の強さと、つけ置き時間によってはステンレスが腐食しサビや変色の原因になることもあります。
クエン酸なら丸一日つけても問題ありませんが、酸性度の高い洗剤を使用する際は注意しましょう。
塩酸が入った洗剤「サンポール」などは10秒程度で洗い流す
安価で手に入るものには、サンポールのようなトイレ用の洗剤などがありますが、使用方法を注意しなければ、酸ヤケするため、洗剤を付けたらすぐに洗い流す必要があります。
キッチンシンクのステンレスなどはすぐに変色するため、洗剤をかけたら10秒程度で成分を流しきる必要があります。
強力な酸性洗剤はつけ置き時間を短めにする
塩酸の入った洗剤よりはマシですが、塩酸が入っていなくても強力な酸性洗剤はステンレスなどの素材を変色させてしまう可能性があるので、クエン酸のような長時間のつけ置きはしない方がいいです。
塩素系の洗剤と混ぜない
酸性洗剤のパッケージに表記される通り、ハイターやカビキラーなどの塩素が入ったものと混ざると有毒ガスが発生し危険なため、使用時は合わせて使わないようにしましょう。
どの洗剤を使っても落ちない場合は削り取る
頑固な水垢は一度で取り切れないため、繰り返し作業して徐々に落としていく必要があります。
手間と時間がかかり、場合によっては完全に取り切れないことも…
シリカ系の水垢だった場合、業務用の洗剤でないと落とせないため、素人がやるなら削る方が安全です。
削る道具は様々ですが、おすすめは使いやすさ・コスパに優れた研磨シートです。
スポンジタイプの研磨シートがおすすめ
最も安く手に入るのは耐水ペーパーですが、慣れない方が使用すると部分的に削り過ぎてしまうため、スポンジタイプの研磨シートがおすすめです。
スポンジによって均等に力が加わりやすいため、削り過ぎを防いでくれます。
研磨シートの番手
紙やすりや、研磨シートには番手(#400など)があり、数値が小さいほど目が粗く、数値が大きいほど目が細かくなります。
1インチ平方内に研磨材(砥粒)がどれだけついているかを表したもの。
#120番と#2000番では、#120の方が目が粗いため削りやすいですが、その分キズが付きやすいデメリットもあります。
シャワースクリーンの水垢に使用する場合は、#600~1000番のもので十分削れます。
試しに#3000番で少し磨いてみましたが、目が細かすぎて上手く削れなかったため、細かいキズをなるべく付けたくない方は、#1500番前後のものを使用してみてください。
まとめ:研磨シートで削るなら#1000~#1500番で十分
水垢の状態にもよりますが、今回のような状態であれば、研磨シートの番手は#1000~#1500番くらいで丁度いいかと思います。
研磨シートの使用時は水垢がどのくらい削れたのか?あとどのくらい付いているのか?
細かく確認して削り過ぎないように注意しましょう。
水垢がひどい場合は#600番くらいから削ってもいいかもしれません。
研磨シートでの作業は、少なからず細かいキズが付くため、洗剤で落ちなかった際の最終手段に試してみてください。