キッチンシンクをこまめにメンテナンスしないと、スリキズや水垢汚れによって輝きを失い、徐々に曇ってしまいます。
洗剤で汚れを落としても、細かなキズによって光が乱反射するのでピカピカに見えないことも…
新築のシンクのような輝きに戻すには、研磨してキズを消さないといけません。
磨く際はクリームクレンザーのような研磨剤入りの洗剤や、研磨シート・ピカールなどの超微粒子の研磨剤など、道具の種類がたくさんあり、やり方によっても輝く度合いが異なります。
せっかくやるなら新築のシンクくらいに戻したいですよね?
失敗して余計にキズが付いたり、お金をかけたのに、思ったほど反射しなかった…なんてことも起こります。
そこで本記事では、できる限り低コストで、誰がやっても新築のシンク並みに輝きを戻す方法を紹介しています。
キッチンシンクを低コストで磨くには研磨シートがおすすめ
シンク磨きで最もポピュラーな方法はジフなどのクリームクレンザーを使って磨くやり方ですが、一般的な台所用のクリームクレンザーはサンドペーパーの番手にすると80~100番程度のため、ピカピカに反射するまでにはなりません。
超微粒子の研磨剤を使えば鏡面に近い光沢がでますが、金属磨き用のピカールなどは灯油のニオイがキツく、想像以上に部屋が臭くなります。
換気してもすぐにニオイが消えないため、低臭タイプのピカールもありますが、ニオイが無いわけではありませんし、さらに低臭なノンシリコンタイプの研磨剤は高価なので本格的にやりたい方向けです。
シンクを磨きの中では最も簡単で、ニオイの出ない研磨シートがおすすめです。
研磨シートには、安価で薄い紙のような耐水ペーパーとスポンジ素材になった研磨シートの2種類があります。
水を付けて使用する紙やすりの一種。 水を付けて磨くことで摩擦熱を抑え、削りくずが飛びにくくしたり、目詰まりを少なくできます。
耐水ペーパーは1枚あたり、約100円。対してスポンジの研磨シートは1枚200~300円が目安です。
おすすめは、職人の方を除いてスポンジ素材の研磨シート一択です。
理由は耐水ペーパーだけで磨くと、部分的に力を入れ過ぎてしまいやすく、削りムラが起こり均等に削るのが難しいためです。
スポンジ素材なら力が吸収され、素人でも扱いやすいので失敗しにくいです。
費用を抑えるならホームセンターの研磨シートを使う
ホームセンターで購入できるシートの他に、よく使用されているのが「3M耐水スポンジペーパー」です。
以下の番手、4枚セットが人気です。
- #240~320
- #320~600
- #800~1000
- #1200~1500
Amazonでは720円程度で販売されており、特選セール時などは599円で販売されていることもあります。
ブランド力はもちろんのこと、スポンジタイプなのに安くで買えることが人気の理由だと思います
ただし番手は最大で#1500までなので最終仕上げにピカールを併用される方も多いです。
今回はピカールを使わずに、低コストでピカピカにする方法なので、バラ売りのシートを購入しました。
使用したのはDCMの研磨シートですが、他のホームセンターでも同様の物は手に入ります。
価格は1枚あたり税込217円。3枚で651円です。
DCM 研磨シート 細目 #600
目詰まりが少なく長持ちする研磨シートです。
木製品の塗装前の下地処理、金属・プラスチックの塗装前の下地処理、剪定ハサミのサビ落としなどに使用可能で、柔軟性に優れているため曲面もきれいに磨けます。
よほど深いキズが入っていない限りはこの番手からで問題ないと思います。
DCM 研磨シート 極荒目 #1000
木製品の仕上塗り前の塗面研磨、金属製品の仕上塗り前の塗面研磨、鍋・ヤカンなど調理器具の焼け取りなどに使用可能で、柔軟性に優れ曲面もきれいに仕上がります。
#1000番と#600番とでは磨いた後は目で見ても違いがわかるほど反射するようになります。
DCM 研磨シート 超極細目 #3000
番手が粗いとキズついてしまう陶器製便器、洗面台の汚れ取り、シンクの汚れ取り、タイル表面の汚れ落としなどに使用可能で、柔軟性に優れ曲面もきれいに仕上がります。
番手は#3000なので最終仕上げとして十分な輝きになります。
ピカールは#3000~4000番なので、とことん磨きたい方を除いては十分だと思います。
DCMの研磨シートでキッチンシンクを磨く
準備したもの
DCMの研磨シートには種類があります。
同シリーズには、番手が#80、#150、#320、#600、#1000、#3000の6種類で、今回はこのうちの3種類(#600、#1000、#3000)の順に使用します。
キズが深い場合は#320の番手からご使用ください。
手が汚れるため、ゴム手袋は着用ください。
研磨シート細目#600で研磨する
シートの厚みは0.5mm程度です。
以下は使用前の写真です。
側面には水垢がたくさん付いており、反射せずに曇っています。
水で全体を濡らし、スポンジで磨いていきます。
10分ほど磨くと、シートはこのようにステンレスの削りカスが付き真っ黒になります。
※シートの使用前後を比べる都合上、2枚用意していますが研磨には1枚しか使用していません。
反射具合は磨く前とそれほど変わりません。
全体を見ると、やや輝いたかな?という程度です。
台所用のクリームクレンザー(#400~600程度)も同じくらいなので輝くほどにはならないことが分かります。
近くで見るとキズがたくさん付いていたため、もう少し粗い#320で磨いた方がよかったかも知れません…
研磨シート細目#1000で研磨する
#600のシートの時と同様に約10分ほど磨きました。
全体をしっかりと磨いた後に、キズが目立った部分を集中的に研磨。
#600番と比べると、輝きが増しました。
1回目の研磨よりも、JOYがより反射して見えます。
研磨シート細目#3000で研磨する
#1000の後に#3000と、やや段階を飛ばしているため、本来は#1500~2000程度の研磨シートが効率的、かつキレイに磨けます。今回は番手が無かったため、いきなり#3000番で磨いてます。
輝きはやや増したように見えますが、思ったほど輝かず…
新築時の頃くらいには戻りました。
鏡面とはならなかったですが、JOYの反射を見る限り、よりくっきりと映るようにはなっています。
ここで満足しない場合は、ピカール(#3000~#4000相当)を使用するか、途中の工程をもう少し番手を刻んでやると鏡面に近い仕上がりになります。
低臭タイプでおすすめ
研磨シートで磨く際の3つのコツ
キレイに磨く際のコツは3つです。
- 番手によって磨く時間を変える
- キズが深い部分には#320を使う
- 番手を細かく刻んで研磨シートを使う
番手によって磨く時間を変える
磨きが甘いと、深いキズが消えずに残ってしまうため、目が粗い時ほどしっかりと磨くのが重要です。
シンクの状態にもよりますが、実際に磨いた感覚では#600番なら最低でも10分。できれば15分ほど研磨すると仕上がりの状態に差が出てくると思います。
逆に目が細かくなるにつれ、表面が整ってくるため磨く時間が減ります。#1000番なら10分程度で十分だと思います。
キズが深い部分には#320を使う
我が家のシンクでは、左側に洗い終わった食器を置く水切りがあるため、右半分が汚れやすい傾向があります。
そのため、#600番で全体を磨きましたが左右とでキズの消え加減が異なっていました。
同様にどちらか一方を良く使用している方や、部分的にキズが付いている場合はさらに目の粗い番手(#320番など)から磨いた方がいいです。
番手を細かく刻んで研磨シートを使う
番手は#400~600番から磨くのが妥当です。(キズが深い場合を除いて)
台所用のクリームクレンザーはそのまま使うと#80~100番相当なので、少量の水で薄めて調整すれば代用できます。
#2000番まで磨けば1000単位でも大丈夫です。
例えば#400~600番
#1000~1500番 #1500~2000番という感じです。さらに輝かせたい場合は#3000番やピカールのような#4000番の物を仕上げに使いましょう。キッチンシンクを磨くメリット・デメリット
シンクを磨けば、サンポールのような強力な酸性洗剤を使った際に付く、酸ヤケを消すことが可能です。
メリットは、シンク表面がツルツルなので水弾きが良くなり、排水口にキレイに流れるので洗剤残りや食べカスがシンクに付着しにくくなります。
また新築時のようにピカピカに見えますし、自分で磨いたシンクだからこそ、常にキレイにしておこうと掃除の意識も変わると思います。
対して、デメリットは鏡面に近づくほど汚れやキズが目立ちます。
磨いたからと言って全てのキズが取れるわけではなく、特に凹んだ部分は逆に目立つため、個人的には鏡面の1つ手前くらいの段階がちょうどいいかと思います。
まとめ:研磨シートで磨く際の注意点
今回ステンレス製のシンクを磨きましたが、エンボス加工のシンクはキズや汚れを付きにくくするためのボコボコした表面が削れてしまうため、磨けません。
ステンレスは別名「ステンレススチール」と言って、鉄にクロムを混ぜだ合金のことです。クロムによって酸化皮膜(不動態皮膜)が作られ、さびにくくなりますが、酸化被膜を溶かすほどの強力な酸や塩分を長時間つけるとサビや変色が起こります。
またクロム以外に加えてニッケルを混ぜたものがあり、耐熱性や腐食しにくくなり高価な特徴があります。
このように、ステンレスといってもクロムやニッケルの含有率によって同じ道具と工程で磨いても仕上がりが異なりますのでご注意ください。
今回使用したのはDCMの研磨シートです。
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