主に除菌・漂白効果があるキッチン泡ハイターは、次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする塩素系漂白剤なので、カビ取りに効果的で、日頃から常備されている方も多いと思います。
浴室で、お風呂用のハイターやカビキラーを使っても取り除くのが難しいカビでも、キッチンハイターならキレイに落とせることがあり、近年ではキッチン掃除以外に、浴室の汚れに使用するプロの掃除屋さんもいます。
塩素濃度が6%もあるキッチンハイタ-は、お風呂用のカビ取り剤よりも濃度が高いことが理由として挙げられます。
キッチンハイターは塩素濃度6%。対してキッチン泡ハイターは塩素濃度0.6%です。
また、一般的な安いお風呂用の洗剤に比べても、アルカリ濃度が高いため、カビ以外にも皮脂や湯垢(石鹸の油分)に効果的です。逆に水垢に対しては効果がありません。
この記事では、キッチンハイターがどんな汚れに効果があるのか?水垢に効果が無い理由を含めて紹介しています。
効果を最大限に高める方法や使用時の注意点も合わせてご覧ください。
- キッチンハイターがお風呂掃除に適した理由
- お風呂で効果的な汚れ
- キッチンハイターが水垢に効果が無い理由
- トイレでの使用方法
- 安全に使うための注意点
- 効果を最大化するための方法
- 使用者の口コミや評価
なぜお風呂掃除にキッチンハイターが適しているのか?
浴室は家の中で最も多い頻度で掃除が必要な場所で、浴槽やシャワー周りにこびりついた水垢やカビ、石鹸カスは、なかなか取り除けないことが多く、掃除の際に頭を悩ませる原因です。
そんな中、カビを含めて皮脂汚れなども同時に落とせて洗浄力のあるキッチンハイターが掃除のプロから注目されています。
特にキッチン泡ハイターは強力な洗浄力と手軽さから、お風呂掃除にも最適なアイテムです。
厚生労働省が推奨する塩素系漂白剤の一つにも選ばれています。【厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/】。泡状のため、垂直面や複雑な形状の場所でもしっかりと密着し、効果的に汚れを落とすことができます。以下の特徴があります:
キッチン泡ハイターがなぜお風呂掃除に適しているのか、その理由は以下の通りです。
- 泡状の洗剤:泡が汚れに密着して、垂直面でも流れ落ちにくい。
- 塩素系漂白剤:強力な漂白効果でカビやヌメリを根こそぎ落とす。
- 手軽さ:スプレータイプで、簡単に広範囲に噴霧できる。
カビや石鹸カス、ピンクヌメリといった頑固な汚れに対して強力な効果を発揮し、定期的に使用することで、カビやヌメリの再発を防ぎ、清潔なお風呂環境を維持することができます。
キッチン泡ハイターが適した浴室の汚れとは?
カビや石鹸カス、ピンクヌメリに対して効果を発揮します。
以下では、それぞれの汚れに対するキッチン泡ハイターの効果的な使い方を紹介します。
- タイルの目地や浴槽の角に生えた黒カビ
- シャワーカーテンや排水溝周りのピンクヌメリ
- 黒っぽい汚れの石鹸カス(酸性石鹸)
- 油分などの皮脂汚れ
タイルの目地や浴槽の角に生えた黒カビ
塩素系漂白剤であるキッチンハイターは、お風呂のカビに非常に効果的です。濃度が6%もあるため、大抵の黒カビは根こそぎ除去できます。
使い勝手の良いキッチン泡ハイター(塩素濃度0.6%)なら、タイルの目地や浴槽の角に生えた黒カビに対してスプレーし、10分ほど放置した後に水で流すだけで、カビがキレイに落とせます。
頑固なカビの場合には、キッチンハイター(塩素濃度6%)が効果的です。
原液のままキッチンペーパーなどに浸して黒カビに湿布し、ラップで表面を覆って、乾燥を防ぎ1時間以上放置します。カビの状況によって湿布時間を伸ばしましょう。
定期的に使用すると浴室が部分的に無菌状態になるため、カビが発生しにくく、清潔に保つことができます。
シャワーカーテンや排水溝周りのピンクヌメリ
ピンクヌメリの原因となるロドトルラは湿気の多い環境で繁殖します。キッチン泡ハイターの塩素系成分がこの菌を殺菌し、再発を防ぐ効果があります【国立感染症研究所: https://www.niid.go.jp/】。
シャワーカーテンや排水溝周りに発生するピンクヌメリにキッチン泡ハイターをスプレーし、しばらく放置してから洗い流すと、ヌメリが完全に取れます。
また、定期的にキッチン泡ハイターを使用することで、ピンクヌメリの再発を防止できます。
黒っぽい汚れの石鹸カス(酸性石鹸)
一般的に石鹸カスと呼ばれる汚れには2種類の逆の性質を持つ汚れが存在します。
キッチン泡ハイターの効果のある石鹸カスは(酸性石鹸)と呼ばれる汚れになります。
酸性石鹸は、体を洗った際に出る皮脂汚れと石鹸の油脂成分が反応して発生し、主に床や壁・浴槽の化粧パネルなどに蓄積する黒っぽい汚れになります。
石鹸カス(酸性石鹸)がひどい場所にキッチン泡ハイターをスプレーし、数分放置してからブラシで軽くこすると、アルカリ剤と界面活性剤の効果により除去できます。
ただし、長時間放置すると漂白効果が強すぎて素材を傷める可能性があるため、適切な時間で洗い流すことが重要です。
油分などの皮脂汚れ
皮脂汚れは主に次の成分からなります。
- 脂肪酸:皮膚から分泌される油脂分。
- 汗:水分、塩分、タンパク質が含まれる。
- 角質:古い皮膚の細胞が剥がれたもの。
これらの成分が混ざり合うことで、浴室の表面にヌルヌルした汚れが形成されます。
特に、皮脂は水と反応して「石鹸カス」や「皮脂汚れ」となり、除去が難しくなります。
皮脂汚れは主に脂肪酸とグリセリンで構成される油分です。
キッチン泡ハイターに含まれる次亜塩素酸ナトリウムは強力な酸化剤であり、脂肪酸と反応して酸化分解します。
これにより、脂肪酸がより小さな分子に分解されることで水に溶けやすくなり、簡単に洗い流せるようになります【環境省: https://www.env.go.jp/】。
皮脂汚れが発生する場所は以下の3つ
- 浴槽:湯船に浸かった際に皮脂が浮き出し、浴槽の内側に付着します。
- タイル:シャワーを浴びる際に壁や床のタイルに飛び散り、そこに付着します。
- 排水口:シャワーや洗面器の水が流れ込む際に皮脂が集まります。
皮脂汚れは普通の洗剤では落としにくいことが多く、特に浴室で長時間放置されると、固着してさらに頑固になります。
キッチン泡ハイターは皮脂汚れと同時に、カビやバクテリアも一緒に除去する効果があります。
使用方法はスプレーして数分放置し、ブラシでこすって十分に洗い流すだけです。
使用時には換気を良くし手袋を着用することと、素材を傷める可能性があるため、長時間放置しないように注意しましょう。
以上のように、キッチンハイター・キッチン泡ハイターは黒カビ、ピンクヌメリ、石鹸カス、皮脂汚れといった浴室の汚れに対して効果的です。
キッチン泡ハイターが落とせない汚れ
前項ではキッチンハイター・キッチン泡ハイターで落とせる汚れについて紹介しました。
様々な汚れを落とすことができる一方、以下の汚れには効果がありません。
- 水垢
- 石鹸カス(金属石鹸)
これらの汚れに対する効果的なクリーナーの選び方と具体的な対処法について詳しく解説します。
水垢には効果がない理由
水垢は、水道水に含まれるミネラル成分(カルシウムやマグネシウム)が蒸発して残ったもので、アルカリ性の汚れです。
キッチン泡ハイターは塩素系漂白剤であり、同じアルカリ性の性質を持つため、同じ性質である汚れに対しては効果がほとんどないため、酸性クリーナーを使用する必要があります。
洗剤に含まれる界面活性剤の効果により、メラミンスポンジで擦って取れる程度の軽度な水垢なら少なからず効果はありますが、浴槽やシャワーヘッド、蛇口周りに付着した頑固な水垢には、クエン酸や酢、研磨剤などを使用しないと落とせません。
石鹸カス(金属石鹸汚れ)
金属石鹸汚れは、石鹸の脂肪酸と水中の金属イオンが反応して生成されるもので、キッチンハイターと同じ性質のアルカリ性の汚れになります。
そのため、水垢同様に洗浄効果がありません。
金属石鹸汚れにはクエン酸や酸性の洗剤を使用しましょう。
キッチン泡ハイターをトイレに使用する
用途外になる可能性が高いため、自己責任でご使用ください。
キッチン泡ハイターは汎用性が高く、お風呂・洗面台以外にはトイレの便器などにも効果的です。
例えば、便器の縁やタンク周りに発生するカビを除去することが可能です。除菌効果により、トイレの衛生面も保たれるのでおすすめです。
使い方は以下の通りです。
- 準備:
- 使用前にトイレの換気を良くします。
- ゴム手袋を着用し、必要に応じてマスクも着用します。
- 塗布:
- キッチン泡ハイターを汚れが気になる部分にスプレーします。特に便器の内側や縁、タンク周りに重点的にスプレーします。
- 放置:
- 5〜10分間放置します。この間に泡が汚れに浸透し、除菌・漂白効果を発揮します。
- 洗浄:
- 放置後、ブラシで汚れをこすり落とします。
- 最後に水で十分に洗い流します。
安全に使うための注意点
塩素系漂白剤は除菌作用や強力な洗浄効果を持つ反面、適切に使用しないと健康被害を引き起こす可能性があります。
使用時は以下の3つに注意しましょう。
換気を怠らない
塩素系漂白剤を使用する際には、有害な塩素ガスが発生する可能性があります。
このガスは呼吸器に刺激を与え、喉や肺にダメージを与える可能性があります。特に密閉された空間で使用すると、ガスが濃縮されて危険です。
対策は以下の通りです。
- 使用する部屋の窓やドアを開けて換気を良くする。
- 換気扇を回すなど、空気の流れを確保する。
- 屋外または換気の良い場所で使用することを検討する。
ゴム手袋など、保護具を着用する
塩素系漂白剤は強力な化学薬品であり、皮膚や目に接触すると炎症ややけどを引き起こす可能性があります。また、蒸気を吸い込むと呼吸器に悪影響を及ぼすことがあります。
具体的には、下記のような対策が必要です。
- ゴム手袋を着用して皮膚の保護をする。
- マスクを着用して蒸気の吸入を防ぐ。
- 保護眼鏡を着用して目を保護する。
酸性洗剤とは絶対に混ぜない
塩素系漂白剤と酸性洗剤を混ぜると、有毒な塩素ガスが発生します。
このガスは非常に危険で、吸い込むと重篤な呼吸器障害を引き起こします。
酸性洗剤以外にも下記にご注意ください。
- 酢
- アルコール
- クエン酸
- アンモニア(尿)
- 汗
以上のように、主に酸性のものに注意する必要があります。
片栗粉でキッチンハイターの洗浄効果を高める方法
片栗粉を使ってペースト状にすることで、液体が垂れにくくなり、汚れに長時間接触させることができます。
この方法は、特に垂直面や斜面の汚れに対して有効です。片栗粉は食品にも使用される安全な素材であり、掃除にも安心して使用できます【厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/】。
以下の手順でペースト状にして使用することが推奨
- キッチン泡ハイターを片栗粉と1:1の割合で混ぜます。
- 汚れた部分にペーストを塗りつけます。
- 5〜10分放置します。
- スポンジやブラシでこすり、流水でしっかりと洗い流します。
片栗粉を使うからといって、熱してジェル状にすると塩素が飛び、効果が無くなるためご注意ください。
キッチンハイターの洗浄力を上げる方法
洗浄効果を高める以外に、洗浄力を上げる簡単な方法には界面活性剤を混ぜると、汚れがさらに落としやすくなります。
界面活性剤は、油と水のように本来混ざり合わない物質を混ぜるための成分です。
そのため以下の理由から、汚れを効果的に取り除く助けになります。
親水基(水に溶けやすい部分)と親油基(油に溶けやすい部分)を持っているため、汚れを水に溶かしやすくします。
油汚れが浮き上がりやすくなることによって、水で簡単に洗い流せるようになります。
下記はおよその分量になります。
- キッチンハイターの使用量:
- 通常の掃除用には、キッチンハイターを1リットルの水に対して30ml(約2スプーン)を使用します。
- 食器用洗剤の使用量:
- 食器用洗剤は界面活性剤を含んでいるため、少量で効果を発揮します。1リットルの水に対して、5ml(約1ティースプーン)程度が目安です。
キッチン以外で使用している人の口コミや評判
まとめ:汎用性の高いキッチンハイター
キッチン泡ハイターは、お風呂掃除において非常に有効なツールです。特に、カビ、石鹸カス(酸性石鹸)、ピンクヌメリ、皮脂汚れといった頑固な汚れに対して強力な効果を発揮します。
また、キッチン泡ハイターと他の掃除用具を併用することで、その効果を最大化できます。
メラミンスポンジや歯ブラシ、片栗粉を使ったペーストなど、適切な道具を組み合わせることで、頑固な汚れも効率的に除去できるのでお試しください。
下記は総括です。
- キッチン泡ハイターはカビ、石鹸カス、ピンクヌメリ、皮脂汚れに効果的
- キッチン泡ハイターで水垢、金属石鹸カスは落とせない
- 片栗粉を使ったペーストで垂直面にも効果的に使用可能
- 使用前には換気を良くし、ゴム手袋を着用する
- 目に入った場合はすぐに水で洗い流し、必要なら医師に相談
- 使用後はしっかりと洗い流し、残留物を残さない
- トイレの黒ずみにも効果あり