オキシクリーンといえば、万能クリーナーとしてすっかりお馴染みになりましたよね。私もキッチンの油汚れから洗濯まで、本当に幅広く愛用しています。
ただ、そんなオキシクリーンでも「これに使って大丈夫かな?」と迷う瞬間がありませんか。特に「オキシクリーンを金属に使うとどうなるの?」という疑問は、多くの方が一度は持つ不安かなと思います。
シンクや鍋、五徳、水筒、さらには洗濯槽まで、お家の中には金属製品があふれています。アルミ素材のものが変色して黒ずんでしまった、なんて話を聞くと、使うのが少し怖くなってしまいますよね。ステンレスなら大丈夫なのか、もし変色したら対処法はあるのか、そもそも使えない素材は何なのか、気になるところです。
この記事では、そんなオキシクリーンと金属の関係について、私が調べたり試したりした経験を元に、注意点や安全な使い方をまとめてみました。
- オキシクリーンで金属が変色する理由
- 使ってはいけない金属、使える金属の具体例
- シンクや鍋など場所別の掃除ポイント
- 万が一、変色させてしまった時の対処法
オキシクリーンと金属に関する注意点

まず最初に、オキシクリーンと金属の「相性」について、基本的な注意点をおさえておきましょう。「金属」と一口に言っても、種類によってオキシクリーンが使えるものと、絶対に使ってはいけないものがあるんです。ここを間違えると、大切な道具が変色してしまう可能性があるので、しっかり確認していきましょうね。
オキシクリーンで金属が変色する理由

オキシクリーン(日本版)の主な成分は「過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)」と「炭酸ナトリウム(アルカリ剤)」です。これがお湯に溶けると弱アルカリ性の溶液になります。
この「アルカリ性」というのがポイントでして、一部の金属はアルカリ性の液体と化学反応を起こしてしまうんです。
特にアルミニウム(アルミ)は両性金属といって、酸にもアルカリにも反応しやすい性質を持っています。オキシクリーンのアルカリ性に触れると、表面が腐食して黒っぽく変色してしまうことが多いんですね。
「じゃあ、サビ(酸化)を落とせるの?」と聞かれることもあるんですが、オキシクリーンは酸素系漂白剤であって、サビ取り専用の洗剤ではありません。変色のリスクを考えると、サビ落とし目的での使用は避けた方が無難かなと思います。
NG!使えない金属素材の一覧
では、具体的にオキシクリーンが使えない、または使用に注意が必要な金属素材をリストアップしてみますね。これはもう、「原則NG」として覚えておいた方がいいです。
【オキシクリーンNGの金属素材】
- アルミニウム(アルミ): 最も変色しやすい代表例です。鍋、やかん、レンジフードのフィルターなど。
- 銅・真鍮(しんちゅう): 五徳や一部の鍋、アクセサリーなど。変色や腐食の恐れがあります。
- 鉄: 特に鋳鉄(スキレットなど)はサビの原因になる可能性があります。
- 貴金属・宝石類: 指輪やネックレスなども外してから作業しましょう。
- メッキ加工されたもの: コーティングが剥がれてしまうことがあります。
これらはオキシクリーンのアルカリ性に反応して、黒ずみや変色、サビの悪化などを引き起こす可能性があります。大切な調理器具やお気に入りのアイテムをダメにしないためにも、素材の確認は徹底しましょうね。
「これは何素材だろう?」と迷った時は、製品の取扱説明書を確認するか、目立たない場所で試すのが一番ですが…不安な場合は使用を避けるのが賢明だと思います。
特に注意が必要なアルミ製品

NG素材の中でも、私が特に注意しているのが「アルミ製品」です。
軽くて熱伝導も良いので、雪平鍋やパスタ鍋、やかん、あとはレンジフードのシロッコファンなど、キッチン周りには意外とアルミ製品が多いんですよね。
これをうっかりオキシ漬けしてしまうと…もう本当に、あっという間に黒ずんでしまいます。この黒ずみは「アルマイト加工」という表面の保護膜が剥がれて、アルミ自体が腐食してしまった状態なんです。
【豆知識】アルミ鍋の黒ずみ
アルミ鍋が黒ずむのは、水道水に含まれる微量なミネラルとアルミが反応して水酸化アルミという皮膜を作るのが主な原因とも言われています。オキシクリーンのアルカリ性(炭酸ナトリウム)は、この黒ずみを落とすどころか、アルミ自体を侵食してさらに変色を悪化させてしまう可能性が高いんです。
アルミ製品には、オキシクリーンではなく、食器用の中性洗剤を使うのが基本ですね。
ステンレスに使う際のポイント
「じゃあ、キッチンのシンクでよく使われるステンレスはどうなの?」と気になりますよね。
結論から言うと、ステンレスは比較的アルカリ性に強いため、オキシクリーンを使えることが多いです。キッチンのシンク丸ごとオキシ漬け、なんていうお掃除方法が人気なのも、シンクの多くがステンレス製だからですね。
ただし、ステンレスなら何でもOK!というわけでもなくて、いくつか注意点があります。
【ステンレスに使う際の注意点】
- 長時間つけすぎない: いくら耐性があるといっても、何時間も放置するのはおすすめしません。お掃除の目安は20分〜長くても1時間程度かなと思います。
- 溶液をしっかり洗い流す: オキシクリーンの成分が残っていると、それが原因で水垢のようになったり、サビを誘発したりする可能性もゼロではありません。最後は水でよーく洗い流しましょう。
- 「もらいサビ」に注意: ステンレス自体は錆びにくいですが、鉄製のフライパンや缶詰などを濡れたまま放置すると、そのサビがステンレスに移る「もらいサビ」が発生します。オキシ漬け中も、近くにサビやすいものを置かないようにしましょう。
特に水筒やタンブラー。ステンレス製が多いですが、塗装やコーティングがされている外側や、フタのパッキン以外の金属部品には注意が必要です。基本的には「内側のみ」と割り切るか、取扱説明書を確認するのが安心ですね。
錆びた金属への使用は避けるべき?
「オキシクリーンでサビが落ちた」という話もたまに聞くことがありますが、これはちょっと注意が必要かなと思います。
オキシクリーンは酸素の泡で汚れを浮かせて落とすもので、化学的にサビ(酸化鉄)を還元して落とす専用の洗剤ではありません。
むしろ、前述の通りオキシクリーンは金属の種類によっては化学反応を起こしてしまいます。特に鉄製品の場合、アルカリ性の溶液に長時間触れることで、逆にサビを悪化させてしまう可能性も考えられます。
もしサビを落としたい場合は、オキシクリーンではなく、クエン酸や重曹を使ったり、市販されている「サビ取り専用」のクリーナーを使ったりする方が、確実で安全だと私は思います。
オキシクリーンで金属製品を掃除する方法
さて、ここまでは「注意点」を中心にお話ししてきましたが、ここからは「じゃあ、どう使えばいいの?」という具体的なお掃除方法についてです。素材さえ間違えなければ、オキシクリーンは金属製品の掃除にも本当に役立ってくれますよ!
キッチンシンクをオキシ漬けする手順

キッチンの「ステンレスシンク」は、オキシ漬けの効果を一番実感できる場所かもしれませんね。ヌメリや水垢、カビっぽさまでスッキリします。
【シンクのオキシ漬け 手順】
- 排水口にフタをする ゴミ受け皿のフタをひっくり返したり、ビニール袋に水を入れて縛った「水嚢(すいのう)」を使ったりして、排水口をしっかり塞ぎます。
- オキシクリーンを溶かす シンク内にオキシクリーン(付属スプーン1〜2杯程度が目安)をパラパラと撒きます。
- お湯を溜める 40℃〜60℃くらいのお湯を、シンクの8分目くらいまで一気に溜めます。給湯器のお湯でOKです。泡立て器などで軽く混ぜると溶けやすいですよ。
- つけ置き(20分〜1時間) そのまま放置します。この時、ステンレス製のザルやボウル、五徳(ホーロー製やステンレス製)なども一緒につけ込んじゃうと一石二鳥ですね。
- 洗い流す フタを外してお湯を抜き、スポンジでシンク全体を軽くこすりながら、水でしっかりと洗い流します。
【シンク掃除の注意点】
注意したいのが、蛇口(水栓)です。蛇口の多くはメッキ加工がされています。オキシクリーンの溶液が長時間かかったり、拭き残しがあったりすると、メッキが剥がれたり、白くくすんだりする原因になります。
オキシ漬け中は溶液がかからないように注意するか、もし付いてしまったらすぐに水で洗い流すようにしましょう。
鍋や五徳の焦げ付きは落ちる?

鍋や五徳のギトギトした油汚れや焦げ付きにも、オキシクリーンは活躍します。ただし、ここでも「素材の確認」が最重要です。
OKな素材
- ステンレス製の鍋
- ホーロー製の鍋・五徳(※コーティングが剥げている箇所があると、そこからサビる可能性あり)
これらの素材なら、シンクでのオキシ漬けや、大きな鍋で煮洗い(オキシ煮)するのも効果的です。
NGな素材
- アルミ製の鍋・やかん(黒く変色します!)
- 鉄製のフライパン・スキレット(サビます!)
- テフロン加工などがされた鍋(コーティングが剥がれる可能性があります)
- 銅製の鍋
五徳も、ホーロー製だと思ってたら一部がアルミだった…なんてこともあるかもしれません。必ず取扱説明書を確認するか、メーカーに問い合わせてから試すようにしてくださいね。
洗濯槽の掃除は素材を確認
オキシクリーンを使った洗濯槽クリーナーも人気ですよね。洗濯槽の多くは「ステンレス製」なので、基本的には使用可能です。
ブクブクと出る泡で、カビや汚れがごっそり取れるのは爽快です。
ただし、ここでもやっぱり注意点があります。洗濯槽の底にあるパルセーター(回転する羽根)の中心部や、見えない部分にアルミなどの金属部品が使われている場合があるそうです。
また、長時間オキシ漬けすることで、ステンレス槽自体は大丈夫でも、他の金属部品やゴムパッキンを傷めてしまうリスクもゼロではありません。
最近の洗濯機(特にドラム式)は、「酸素系漂白剤(オキシクリーン)の使用不可」としているメーカーも多いです。必ず、お使いの洗濯機の取扱説明書で「使用可能な洗剤」を確認してから行ってくださいね。
万が一変色した場合の対処法

「うっかりアルミ鍋をオキシ漬けして黒ずませてしまった!」…そんな時、完全に元通りにするのは難しいかもしれませんが、応急処置として試せる方法があります。
【アルミの黒ずみ対処法】
アルミの黒ずみはアルカリ性が原因なので、酸性のもので中和するイメージです。
- 黒ずんでしまった鍋に、水を入れます。
- そこにクエン酸(または輪切りにしたレモン、お酢など)を入れます。
- そのまま10〜15分ほど煮立たせます。
- 冷ましてから、スポンジで優しくこすり洗いします。
これで黒ずみが薄くなることがあります。ただ、これはあくまで対処法なので、まずは変色させないことが一番大事ですね。
※メッキの剥がれや、他の金属の変色については、元に戻すのが非常に困難な場合が多いです。残念ながら…。
オキシクリーンと金属の総まとめ

最後に、オキシクリーンと金属について、大事なポイントをもう一度おさらいしますね。
【オキシクリーンと金属 おさらい】
- NGな金属: アルミ、銅、真鍮、鉄、メッキ加工品、貴金属
- OKな金属: ステンレス(※ただし長時間は避ける)
- 変色の原因: オキシクリーンの「アルカリ性」との化学反応
- サビ: サビ取り効果は期待できず、むしろ悪化させる可能性あり
オキシクリーンは本当に便利な洗剤ですが、得意なことと不得意なことがあります。金属製品に使う場合は、「これは何素材かな?」と一度立ち止まって確認するクセをつけるのが、失敗しない一番のコツかなと思います。
洗剤の特性を理解して、安全に、賢くお掃除を楽しんでいきましょうね!
※この記事で紹介した内容は、あくまで私個人の経験や調査に基づいたものです。オキシクリーンの使用にあたっては、製品のパッケージや公式サイトの注意事項を必ずご確認いただき、ご自身の判断と責任においてご使用ください。
※素材が不明な場合や、高価なもの、大切なものへの使用は、専門のクリーニング業者やメーカーにご相談されることをおすすめします。

