アース製薬の「らくハピ マッハ泡バブルーン」、泡がモコモコ出てきて排水管を掃除するって、見た目にもインパクトがあって気になりますよね。私も洗剤好きとして、ついチェックしてしまう商品の一つです。
ただ、いざ使ってみようかなと調べ始めると、「バブルーン 使わない方がいい」なんていう、ちょっと不安になる言葉も見かけたりします。
「きれいにならない」とか「効果なし」という口コミは本当なのか、中には「販売中止」の噂まであるみたいで…。洗面台の掃除はもちろん、お風呂の髪の毛を溶かす効果はあるのか、もしやトイレつまりにも使えるのか、なんて疑問も出てきますよね。
また、定番のパイプユニッシュとの違いや、正しい使い方、危険な点はないのかも知っておきたいところだと思います。
この記事では、そんなバブルーンに関する気になる噂や疑問点を、洗剤に興味がある私なりの視点で、前回よりもさらに詳しく深掘りしながら整理してお伝えしていきますね。
- バブルーンに関するネガティブな噂(効果なし・販売中止など)の真相
- バブルーンが得意なこと、苦手なこと
- パイプユニッシュとの使い分けのポイント
- バブルーンの正しい使い方と、使ってはいけない注意点
バブルーンを使わない方がいいという噂を検証

「使わない方がいい」とまで言われると、買うのをためらってしまいますよね。まずは、この噂がどうして出てきたのか、よくある疑問点から一つずつ、さらに詳しくチェックしていきましょう。
「きれいにならない」は本当?
「使ったのに、期待したほどきれいにならない」という声は、確かにありますね。私も気になって調べてみたんですが、これは「落としたい汚れ」の種類と「バブルーンの得意分野」がミスマッチしている可能性が非常に高いかなと思います。
バブルーンは、その名の通り「泡」の力、つまり界面活性剤の力で汚れを浮かせるのが得意です。特に、洗面台の排水管に溜まりがちな「ヌメリ」や「皮脂汚れ」、「石鹸カス」といった、比較的軽度でネバネバした汚れを洗い流すのに適しています。
一方で、例えばヘアピンやアクセサリーといった「固形物」が落ちて詰まっている場合や、長年蓄積してカチカチに固まってしまった「ヘドロ状の塊」には、泡の力だけでは太刀打ちできません。
「きれいにならない」と感じた方は、もしかしたらこうした「物理的な詰まり」や「固着した汚れ」の解消を期待していたのかもしれませんね。
バブルーンはあくまで、ひどい詰まりになる前の「予防」や「日常的なヌメリ・ニオイの除去」が得意分野だと覚えておくと、「思ったのと違った…」という失敗が減るかなと思います。
「効果なし」との口コミの真相
「効果なし」という口コミも、基本的には「きれいにならない」と同じ理由が背景にあると考えられます。
特に、すでに水の流れがかなり悪い(詰まり気味)の状態で「詰まり解消」を期待して使うと、「泡が汚れを押し流す」どころか「泡が流れていくだけで効果なし」と感じてしまうかもしれません。
バブルーンの成分と役割
バブルーンの主な成分は、非イオン系界面活性剤、除菌剤、香料などです。(※製品によって詳細は異なります) 液性は中性~弱アルカリ性のものが多く、素材へのダメージが比較的少ないのが特徴です。
界面活性剤は、水と油をなじませて汚れを浮かせる役割(洗浄)をします。除菌剤は、ニオイの原因菌にアプローチします。
つまり、バブルーンの仕事は「汚れを化学的に溶かす」というよりは、「泡の物理的な力と界面活性剤の洗浄力で、汚れを浮かせて剥がし取る」イメージなんですね。
「効果なし」ではなく「目的違い」かも
ひどい詰まりを治す「治療薬」ではなく、排水管をキレイに保つための「予防薬」や「洗浄剤」として使うのが、バブルーンの正しい立ち位置かなと私は思っています。
実際に、洗面台のS字トラップのヌメリ取りや、掃除しにくいオーバーフロー穴(洗面ボウルの上部にある穴)の掃除には、「泡が届いて便利」「ニオイがスッキリした」と高評価の口コミも多いんですよ。
「販売中止」の噂はどこから来たか
これも時々見かける噂ですが、結論から言うと、バブルーンが「販売中止」になったという公式な情報はありません。(参照:アース製薬公式サイト)
今も普通にドラッグストアの店頭や、大手オンラインショップでも販売されていますし、アース製薬さんの公式サイトにも製品情報がしっかり掲載されています。
では、なぜこんな噂が?と考えると、いくつかの理由が推測できますね。
- 一時的な品薄:テレビCMやSNSで話題になると、一気に人気が出て店頭から商品が消えることがあります。それを見て「売ってない=販売中止?」と勘違いされた可能性。
- 店舗の仕入れ事情:お店の棚割りの変更(リニューアル)などで、たまたま近所のお店がバブルーンの取り扱いをやめてしまったケース。
- パッケージのリニューアル:商品がリニューアルされる際、一時的に旧パッケージ品がなくなって新パッケージ品に切り替わる、というタイミングもあります。
特にSNSでは「どこにも売ってない」という情報が拡散されやすいので、それが「販売中止」という噂に発展してしまったのかもしれません。なので、これは単なる噂と考えて良さそうです。
バブルーンはトイレつまりに使える?
これは絶対にNGです。「バブルーン 洗面台の排水管」は、その名の通り「洗面台」専用。これをトイレに使うのは非常に危険です。
トイレつまりの主な原因
まず、トイレの詰まりの原因の多くは、
- トイレットペーパーの流しすぎ
- おむつや生理用品、ティッシュペーパーなどの固形物
といった、「水に溶けないもの」や「一度に大量に流したもの」が原因です。
バブルーンがNGな理由
バブルーンは、これらの詰まり原因を解消するようには設計されていません。
- 成分が対応していない:バブルーンの成分は、トイレットペーパーや固形物を溶かすようには作られていません。
- 泡が溢れる危険:無理に噴射すると、泡の圧力で便器内の水が溢れ出し、大惨事になる可能性があります。
- 便器や配管へのダメージ:トイレの便器(陶器)や排水管は、洗面台とは素材や構造が異なります。想定外の使用は、素材を傷めたり、配管の接合部にダメージを与えたりするリスクもゼロではありません。
トイレつまりには絶対に使用しないでください!
トイレが詰まった場合は、まずラバーカップ(スッポン)を試してみてください。それでも解消しない場合は、無理をせず、必ず専門の水道業者さんに相談しましょう。
※ちなみに、バブルーンのシリーズには「トイレノズル用」や「トイレボウル用(こすらず泡洗浄)」もありますが、それらも「トイレつまり」を直すためのものではありません。用途をしっかり確認することが本当に大事ですね。
お風呂の髪の毛を溶かす効果
お風呂の排水口は、髪の毛が溜まりやすい最大の難所ですよね。ここにバブルーンは使えるのでしょうか?
まず、「洗面台用」のバブルーンは、お風呂の排水口の構造(ヘアキャッチャーなど)にフィットしにくいという物理的な問題があります。
そして何より、バブルーンには髪の毛を強力に「溶かす」成分はあまり期待できません。
髪の毛が溶ける仕組み(タンパク質分解)
髪の毛の主成分は「タンパク質」です。このタンパク質を化学的に分解・溶解するのが、いわゆる「パイプユニッシュ」などの強アルカリ性(水酸化ナトリウムなど)や塩素系(次亜塩素酸ナトリウム)の洗剤です。
バブルーン(洗面台用)は、前述の通り液性が中性~弱アルカリ性で、これらの強力な成分は含まれていません。そのため、髪の毛に絡みついたヌメリや石鹸カスを泡で浮かせることはできても、髪の毛そのものを分解・溶解するのは難しいんですね。
※ちなみに、バブルーンには「お風呂の排水管用」も別商品として存在しますが、そちらも主な目的は「ヌメリ・ニオイの予防」に重点を置いている印象です。「髪の毛を溶かす」ことを第一目的にするなら、専用のパイプクリーナーを選ぶのが賢明ですね。
洗面台の泡掃除の実際のところ
では、本来の用途である「洗面台」ではどうでしょうか?
これは、「普段手の届かない場所」の掃除には、かなり便利で効果的というのが私の印象です。
掃除しにくい「S字トラップ」の構造
洗面台の下の収納を開けると、排水管がS字に曲がっている部分がありますよね。これが「S字トラップ」です。ここには常に水が溜まる(封水)ようになっていて、下水からの臭いや害虫が上がってくるのを防いでいます。
非常に重要な役割を果たしている反面、この「水が溜まる部分」には、流した髪の毛や石鹸カス、皮脂汚れが非常に溜まりやすく、ヌメリやニオイの原因になります。しかし、このS字トラップの内部をブラシでゴシゴシこするのは、構造上ほぼ不可能です。
ここでバブルーンの出番です。泡を排水管に注入することで、ブラシが届かないS字トラップの内部に泡が充満し、こびりついたヌメリを浮かせて洗い流してくれる効果が期待できます。
見落としがちな「オーバーフロー穴」
もう一つ、見落としがちなのが「オーバーフロー穴」です。洗面ボウルの上部にある、水が溢れないようにするための小さな穴ですね。
ここも、手洗いうがいの際の水しぶきや石鹸カスが入り込み、内部でカビや汚れが溜まりやすい場所。ですが、ここもブラシで掃除するのは至難の業です。
バブルーンは、排水口にセットして噴射すると、排水管を通ってオーバーフロー穴からも泡がモコモコと出てくるように設計されています。(※全ての洗面台の構造で必ず出てくるわけではないようです)
これにより、排水口からS字トラップ、そしてオーバーフロー穴までの「排水経路全体」を、一気に泡で洗浄・除菌できるのが、バブルーンの最大の強みだと私は思います。
バブルーンを使わない方がいいケースとは

ここまで見てきたように、バブルーンは「万能ではない」けれど「特定の場所には非常に便利」な洗剤だと言えそうです。では、逆に「使わない方がいい」または「使ってはいけない」のはどんな時でしょうか。ここをしっかり押さえておくことが大事ですね。
ディスポーザーには使用不可
これは非常に重要な注意点です。
キッチンのシンクにディスポーザー(生ゴミ粉砕処理機)が設置されている場合、バブルーン(排水管用)は使用できません。
理由としては、ディスポーザーは生ゴミを粉砕するための刃やセンサー、モーターなどを内蔵した複雑な機械だからです。バブルーンの強力な噴射圧や泡、洗剤成分が、これらの精密な機械部分に悪影響を与え、誤作動や故障の原因になる可能性があります。
また、ディスポーザーの排水管は通常の排水管と構造が異なる場合があり、泡が予期せぬ場所に逆流する危険性も考えられます。
ディスポーザーへの使用は厳禁
ディスポーザーが設置されているかどうか不明な場合や、使用の可否がわからない場合は、絶対に自己判断で使わず、ディスポーザーのメーカーや、お住まいのマンションの管理会社などに必ず確認してください。
高価な設備が故障してからでは大変ですからね。
パイプユニッシュとの違いは?
排水管掃除の定番「パイプユニッシュ」と何が違うのか、迷う方も多いかもしれませんね。これは、目的によってハッキリと使い分けるのが正解です。
一目でわかるように、主な違いを表にまとめてみました。
| 項目 | バブルーン(洗面台用) | パイプユニッシュ(塩素系・強アルカリ性) |
|---|---|---|
| 主な成分 | 界面活性剤、除菌剤など | 水酸化ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム |
| 液性 | 中性~弱アルカリ性 | 強アルカリ性 |
| 得意なこと | ヌメリ、皮脂汚れの除去 ニオイ予防、除菌 (泡で物理的に洗浄) | 髪の毛、ヘドロの分解・溶解 (化学的に溶かす) |
| 苦手なこと | 髪の毛の溶解、固い詰まり | 固形物の詰まり、ディスポーザー |
| 主な目的 | 予防・日常の洗浄 | 詰まりの解消・強力な洗浄 |
「予防」のバブルーン、「解消」のパイプユニッシュ
この表からもわかるように、簡単に言えば、
- バブルーン:日常のヌメリやニオイが気になる時の「予防・掃除」
- パイプユニッシュ:髪の毛やヘドロが詰まって流れが悪い時の「詰まり解消」
という使い分けですね。バブルーンは「洗浄」、パイプユニッシュは「溶解」とイメージすると分かりやすいかもしれません。
例えば、私なら「月1回の定期メンテナンスとしてバブルーンでヌメリ予防」をしておき、「それでも流れが悪いなと感じたら、奥の手としてパイプユニッシュで髪の毛を溶かす」という風に使い分けるかなと思います。
効果的な正しい使い方
バブルーンの効果を最大限に引き出すには、やっぱり正しい使い方が重要です。メーカーが推奨する方法が一番ですから、しっかり確認しましょう。
- 缶をよく振る: まずは缶を上下に10回以上しっかり振ります。中の成分とガスを均一にするためですね。
- ロックを解除: 特製ノズルのツメ(ロック)を「OPEN」の位置にパキッと折ります。(※この時、噴射口を覗き込まないように注意!)
- 排水口にセット: 排水口に缶の先端を垂直に「強く」押し付けます。洗面台の排水口をノズルで完全にふさぐイメージです。
- 噴射: 約3秒~7秒程度噴射します。目安としては、オーバーフロー穴から泡がモコッと出てくるくらいです。
- 放置: そのまま30分程度放置します。この間に泡が汚れに浸透し、除菌もしてくれます。
- 洗い流す: 最後に水でしっかりと洗い流します。この時、オーバーフロー穴側からも水を流すと、よりスッキリしますね。
最大のポイントは「強く垂直に押し込む」こと
一番の失敗例は「押し込みが弱い」こと。洗面台が壊れるのでは…と怖くなってしまうかもしれませんが、ある程度力を込めて垂直にグッと押し込まないと、噴射の圧力が排水管の奥まで届かず、隙間から泡が手前に逆流してきてしまいます。
これが「効果なし」と感じる大きな原因にもなるので、ここは勇気を持って(でも加減はしつつ)押し込んでみてください。
使い方の詳細は、メーカーの公式サイトにも詳しい説明や動画がありますので、初めて使う方は一度見ておくとイメージが湧きやすくて安心ですよ。(出典:アース製薬公式サイト「【使用方法】「らくハピ マッハ泡バブルーン 洗面台の排水管」はどのように使いますか。」)
危険な使い方と注意点
手軽に使えるバブルーンですが、高圧ガスを使用した洗剤であることに変わりはありません。安全に使うための注意点もしっかり確認しておきましょう。
絶対にNG!「混ぜるな危険」
これは洗剤の基本中の基本ですが、他の洗剤と「混ぜる」・「同時に使う」のは絶対にやめてください。
特に危険なのが、
- 塩素系の製品(例:パイプユニッシュ、カビキラー、キッチンハイターなど)
- 酸性タイプの製品(例:クエン酸、お酢、一部のトイレ用洗剤など)
これらが混ざると、人体に有毒な「塩素ガス」が発生する危険があります。バブルーンを使った直後に「詰まりが取れないからパイプユニッシュも使おう」というのは絶対にNGです。もし両方使いたい場合は、バブルーンをしっかり水で流した後、丸1日以上あけるなど、時間を置いてからにしましょう。(※基本的には併用は推奨されません)
その他の主な注意点
- 換気を必ず行う 使用中は必ず窓を開けたり、換気扇を回したりして、空気がこもらないようにしてください。
- 目や皮膚につかないようにする 万が一、目に入ったり皮膚についたりした場合は、こすらずにすぐに大量の水で洗い流し、異常があれば医師の診断を受けてください。
- 用途外に使わない 先ほどのトイレやディスポーザーの例もそうですが、「洗面台用」を他の場所(キッチンシンクやお風呂)に使うのは、素材を傷めたり、思わぬ事故につながる可能性もあるため、推奨されていません。
- 保管場所に注意 直射日光の当たる場所や、ストーブ・ファンヒーターの近く、車の中など、高温になる場所には置かないでください。また、水回りや湿気の多い場所に置くと缶が錆びて破裂する恐れもあるので注意が必要です。
使用上の注意を必ず確認!
これらの注意点は、あくまで一般的なものです。使用する製品のパッケージに記載されている「使用上の注意」を必ずよく読んでから使用してくださいね。安全に使うことが、効果的なお掃除の第一歩です。
結論:バブルーン 使わない方がいいのか
さて、色々と詳しく見てきましたが、いよいよ結論です。
「バブルーン 使わない方がいい」という言葉は、「すべての人にとって」当てはまるわけではない、というのが私の見解です。
これは、「何をしたいのか」という目的と、製品の「得意分野」が合致しているかどうか、に尽きるかなと思います。
▼ バブルーンを「使わない方がいい」人
- ヘアピンや固形物など、物理的な詰まりを解消したい人
- 髪の毛やヘドロで完全に詰まってしまった排水管をどうにかしたい人(→パイプユニッシュ等が適任です)
- キッチンのディスポーザーが設置されているシンクに使いたい人(→使用不可です)
- 「これ一本で家中すべての排水管をOK」と思っている人(→用途を守る必要があります)
▼ バブルーンが「おすすめ」な人
- 洗面台の排水管のヌメリやニオイを予防・解消したい人
- 掃除しにくいS字トラップやオーバーフロー穴をまるっと掃除したい人
- ひどく詰まってはいないが、定期的なメンテナンスをしたい人
- ブラシでゴシゴシこする掃除は面倒だと感じる人
このように、ご自身の目的と照らし合わせれば、「バブルーン 使わない方がいい」という言葉にいたずらに惑わされる必要はないかなと思います。
特性を理解して、適材適所で上手に活用すれば、洗面台を清潔に保つための強力なサポーターになってくれるアイテムだと思いますよ。

