パストリーゼの使用期限は?開封後や変色した場合の品質と安全性を解説

パストリーゼの使用期限は?開封後や変色した場合の品質と安全性を解説

ご家庭の除菌に欠かせないアイテムとして人気のパストリーゼですが、その使用期限について詳しくご存知でしょうか。いざ使おうと思ったときに「これっていつまで使えるの?」と不安になることもあるかもしれません。

パストリーゼの使用期限に関する疑問をはじめ、開封後の製品や、パストリーゼが変色した場合の安全性、手指消毒に使えるのか、また危険ですか?といった安全性に関する懸念は多いですよね。さらに、コロナ禍で一躍注目を浴びたものの、一部で聞かれる効果なしという噂の真相や、偽物の見分け方、コストコで販売されている製品の値段や正しい使い方まで、気になる点は尽きません。

この記事では、一般的なアルコール除菌剤の使用期限との比較も交えながら、パストリーゼに関するあらゆる疑問に専門的な視点からお答えしていきます。

この記事のポイント
  • パストリーゼに明確な使用期限がない理由
  • 開封後や変色した場合の品質と安全性
  • キッチン掃除や手指消毒などシーン別の正しい使い方
  • コストコや通販で賢く購入するための値段とポイント
目次

パストリーゼに使用期限はある?基本と安全性を解説

  • 一般的なアルコール除菌剤の使用期限
  • 開封後の品質はいつまで保てる?
  • パストリーゼが変色しても品質は同じ?
  • パストリーゼは危険ですか?成分と注意点
  • パストリーゼは手指消毒に使える?
  • パストリーゼは効果なしと言われる理由

一般的なアルコール除菌剤の使用期限

一般的なアルコール除菌剤の使用期限
お家の洗剤屋さん:イメージ

まず、比較対象として一般的なアルコール除菌剤の使用期限から見ていきましょう。多くのアルコール消毒液には、医薬品医療機器等法(旧薬事法)に基づき、容器に使用期限が明記されています。

一般的には、未開封の状態で製造日から約3年が目安とされている製品が多いです。これは、長期間保管するとアルコール濃度が低下し、期待される除菌効果が得られなくなる可能性があるためです。開封後は保管状況によって品質の劣化が進みやすくなるため、1年以内など、できるだけ早く使い切ることが推奨されています。

このように、多くの製品には明確な期限が設定されていますが、パストリーゼの扱いは少し異なります。次の項目で、パストリーゼがなぜ特殊なのかを詳しく解説します。

開封後の品質はいつまで保てる?

驚くかもしれませんが、パストリーゼには明確な使用期限が設けられていません。

製造元であるドーバー酒造株式会社の公式サイトによると、主成分が酒精(アルコール)であるため、ウイスキーやブランデーといったアルコール度数の高いお酒に賞味期限がないのと同じ理由から、適切な方法で保管すれば半永久的に使用できるとされています。(参照:ドーバー酒造株式会社 公式サイト

ただし、これはあくまで「適切な保管」が前提です。開封後の品質を長く保つためには、以下のポイントを守ることが非常に重要になります。

開封後の保管ポイント

フタをしっかり閉める:アルコールは揮発性が高いため、使用後は必ずスプレーのノズルをOFFにする、または容器のフタを固く閉めてください。これにより、アルコール濃度の低下や水分の混入を防ぎます。

直射日光を避けた冷暗所で保管:紫外線や高温は品質劣化の原因となります。光の当たらない、涼しく温度変化の少ない場所で保管することが理想的です。

メーカーは「なるべくお早めの使い切り」も推奨しています。特に大容量の詰め替え用を購入した際は、数年以内に使い切ることを目安にすると、より安心して使用できるでしょう。

パストリーゼが変色しても品質は同じ?

パストリーゼが変色しても品質は同じ?
お家の洗剤屋さん:イメージ

パストリーゼを長期間保管していると、液体が黄色や茶色っぽく変色することがあり、不安に感じる方もいるかもしれません。

結論から言うと、この変色は品質に問題がないケースがほとんどです。

この色の変化は、パストリーゼの特長的な成分である高純度の「緑茶カテキン」が酸化することによって起こる自然な現象です。公式サイトでも、「若干の琥珀色を帯びることがございますが、品質に問題なくお使い頂けます」と明記されています。

カテキンは抗菌作用を持続させる重要な役割を担っており、変色したからといって除菌効果や抗菌効果が失われるわけではありません。また、食品などに噴霧しても着色する心配はないとされています。

パストリーゼの変色は、主成分の一つである緑茶カテキンによるものです。品質や安全性、除菌効果に影響はないため、安心してそのまま使用を続けることができます。

パストリーゼは危険ですか?成分と注意点

パストリーゼは食品にも使えるほど安全性が高い製品ですが、主成分が高濃度のアルコールであるため、取り扱いには注意が必要です。誤った使い方は思わぬ事故につながる可能性があるため、危険性について正しく理解しておきましょう。

パストリーゼの主な危険性と注意点

引火の危険性:
パストリーゼのアルコール濃度は約77%と非常に高く、消防法上の危険物第4類(引火性液体)に該当します。コンロやストーブなどの火気の近くでは絶対に使用しないでください。特にキッチン周りで使用する際は、必ず火を消し、コンロ周りが冷めていることを確認してから使用しましょう。使用後は、アルコールが完全に蒸発するまで火を使わないようにしてください。

使用できない素材がある:
アルコールの作用により、一部の素材を変色・溶解・劣化させる可能性があります。特に以下の素材への使用は避けるか、目立たない場所で試してから使用してください。

  • フローリング(ワックスが白く変質する可能性)
  • 樹脂製品(アクリル、ポリスチレンなど)
  • ゴム製品、皮革製品
  • 塗装面(ニスやラッカーなど)

換気の必要性:
狭い空間で大量に使用すると、蒸発したアルコールで気分が悪くなることがあります。お風呂場やトイレなどで使用する際は、窓を開けたり換気扇を回したりして、必ず換気を行いましょう。

保管場所:
小さなお子様やペットの手の届く場所、直射日光の当たる場所や高温になる車内などでの保管は避けてください。

これらの注意点を守れば、パストリーゼは非常に安全で便利な除菌アイテムです。特性を理解し、正しく活用することが大切です。

パストリーゼは手指消毒に使える?

パストリーゼは手指消毒に使える?
お家の洗剤屋さん:イメージ

「パストリーゼは手指の消毒に使えますか?」という質問は非常によく聞かれます。

結論として、パストリーゼは手指の除菌に使用することが可能です。

主成分は酒造用の高品質な醸造アルコールであり、食品添加物としても認可されているため、肌に触れても安全性が高いのが特長です。実際に、保湿成分である乳酸ナトリウムも配合されており、手指に優しい仕様になっています。

ただし、知っておくべき重要な点があります。

手指消毒に使う際の注意点

パストリーゼは、あくまで食品や調理器具への使用を主目的とした「アルコール製剤」です。手指の消毒を目的として医薬品や医薬部外品としての承認を得た「消毒液」ではありません。

そのため、アルコールに肌が弱い方や敏感肌の方が使用すると、刺激を感じたり手荒れを起こしたりする可能性があります。もし使用中に赤みやかゆみなどの異常が出た場合は、すぐに使用を中止してください。

目的外使用にはなりますが、その安全性の高さから、外出先ですぐに手洗いができない場面などで補助的に使用するのは便利ですね。ご自身の肌の状態に合わせて判断することが重要です。

パストリーゼは効果なしと言われる理由

インターネット上などで「パストリーゼは効果なし」という声を見かけることがありますが、これはいくつかの誤解に基づいている可能性があります。

パストリーゼは、アルコール濃度77%と、ほとんどの細菌やウイルスに対して非常に高い除菌効果を発揮します。では、なぜ「効果なし」と感じる人がいるのでしょうか。主な理由として以下の2点が考えられます。

1. アルコールが効きにくいウイルスが存在する

ウイルスには、アルコールで破壊できる「エンベロープ」という膜を持つタイプと、持たない「ノンエンベロープ」タイプがあります。パストリーゼは、インフルエンザウイルスやコロナウイルスのようなエンベロープウイルスには絶大な効果を発揮します。

一方で、食中毒の原因となるノロウイルスやロタウイルスのようなノンエンベロープウイルスに対しては、効果が限定的です。これらのウイルスには、アルコールではなく次亜塩素酸ナトリウム(キッチンハイターなど)が有効とされています。

「パストリーゼがあれば万全」と考えるのではなく、対象とする菌やウイルスによって適切な除菌剤を使い分ける知識が重要です。

2. 使い方が間違っている

アルコール除菌剤は、対象物の表面が汚れていると効果を十分に発揮できません。例えば、油汚れや食べかすが残ったテーブルに直接スプレーしても、汚れがバリアとなり、下にいる菌までアルコールが届かないのです。

「まず汚れを落とし、その後に除菌する」という基本手順を守ることが、パストリーゼの効果を最大限に引き出す鍵となります。効果がないと感じる場合、まずは使い方を見直してみることをおすすめします。

パストリーゼの使用期限を理解し賢く購入・活用

  • キッチン掃除での基本的な使い方
  • コロナウイルスへの効果について
  • コストコでの販売状況と特徴
  • 通販サイトでの値段と相場
  • 購入前に知りたい偽物を見分ける3つのポイント
  • パストリーゼの使用期限についてのまとめ

キッチン掃除での基本的な使い方

キッチン掃除での基本的な使い方
お家の洗剤屋さん:イメージ

パストリーゼが最もその真価を発揮する場所、それがキッチンです。食品にかかっても安全という最大の特長を活かし、様々な場面で活用できます。基本的な使い方をマスターして、衛生的なキッチン環境を保ちましょう。

シンク・調理台の除菌

毎日の調理後に、洗剤で洗ったシンクや調理台にパストリーゼをスプレーし、乾いた布巾で拭き上げます。水分が残っていると雑菌が繁殖しやすいため、アルコールの速乾性を活かすことで、簡単に清潔な状態を保つことが可能です。カテキンの抗菌効果で、ヌメリの発生も抑制します。

調理器具の除菌

肉や魚を切った後の包丁やまな板は、洗剤で洗った後にパストリーゼをシュッとひと吹き。熱湯消毒が難しい木製のまな板などにも手軽に使え、非常に衛生的です。使用前にスプレーするのもおすすめです。

コンロ周りの油汚れ

高濃度のアルコールには、油を分解する作用があります。調理中に飛び散った軽い油汚れであれば、パストリーゼを吹きかけて拭き取るだけで綺麗になります。洗剤を使いにくい場所の掃除に便利ですが、必ず火を消して、コンロが冷えている状態で使用してください。

冷蔵庫内の掃除

食品を保管する冷蔵庫内の掃除に、パストリーゼは最適です。布巾にパストリーゼをスプレーして棚やドアポケットを拭けば、安全に除菌できます。揮発性が高いのですぐに乾き、二度拭きの必要もありません。

食品への直接噴霧も可能

お弁当を作る際、詰めたおかずの上から軽くスプレーしたり、ジャムを瓶詰めする際に表面にひと吹きしたりすることで、傷みを防ぎ、鮮度を保つ効果が期待できます。

コロナウイルスへの効果について

新型コロナウイルスの流行以降、アルコール消毒の重要性が広く認識されるようになりました。その中で、「パストリーゼはコロナウイルスに効果があるのか?」という点も大きな関心事です。

結論として、パストリーゼは新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対して有効であると考えられています。

その理由は、アルコール濃度にあります。厚生労働省や専門機関は、新型コロナウイルス対策として、濃度70%以上95%以下のエタノール(アルコール)での消毒を推奨しています。(参照:厚生労働省「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」

パストリーゼのアルコール濃度は77%であり、この基準を十分に満たしています。新型コロナウイルスは「エンベロープ」を持つウイルスであり、アルコールによってこの膜を破壊することで無毒化できるため、パストリーゼはドアノブやテーブルなど、身の回りのモノの消毒に効果的です。

前述の通り、パストリーゼは医薬品・医薬部外品の手指消毒液ではありませんが、モノの表面のウイルス対策としては、その高いアルコール濃度から非常に有効な選択肢の一つと言えるでしょう。

コストコでの販売状況と特徴

パストリーゼは、会員制倉庫型店のコストコでも取り扱われており、その価格の安さから非常に人気があります。

コストコで販売されているパストリーゼは、「500mlスプレーボトル本体1本」と「500ml付け替え用ボトル2本」がセットになった箱入りの商品が一般的です。このセットで合計1500ml分となり、個別に購入するよりもかなりお得な価格設定になっています。

コストコで購入するメリットとデメリット

メリット:
最大のメリットは、何といってもそのコストパフォーマンスの高さです。他の店舗や通販サイトと比較しても、1mlあたりの単価が非常に安く、日常的にたくさん使う方にとっては大変魅力的です。

デメリット:
コストコの人気商品であるため、入荷してもすぐに売り切れてしまうことが多く、在庫が不安定な点がデメリットです。また、コストコで買い物をするためには年会費が必要となります。

もしコストコを訪れた際にパストリーゼを見かけたら、消耗品で腐るものでもないため、購入を検討する価値は十分にあるでしょう。その圧倒的なコスパの良さから、「見つけたら即カートイン」が推奨される人気商品の一つです。

通販サイトでの値段と相場

パストリーゼは、コストコのような実店舗だけでなく、Amazonや楽天市場といったオンライン通販サイトでも手軽に購入することができます。ここでは、通販サイトでの値段の相場と、購入する際のポイントについて解説します。

値段は販売店や時期によって変動しますが、おおよその相場は以下の通りです。(2025年9月時点の調査)

容量・タイプ値段の目安(税込)特徴
500ml スプレーヘッド付き900円~1,200円初めての購入に最適な標準サイズ
1L 詰め替え用1,100円~1,500円リピーター向けの経済的なサイズ
5L 詰め替え用(ポリ容器)3,500円~4,500円ヘビーユーザーに最もお得な大容量サイズ
15kg スチール缶(約17.2L)9,000円~11,000円業務用や備蓄用に最適

通販サイトを利用するメリットは、店舗に足を運ぶ手間なく、様々な容量の製品を比較検討できる点にあります。特に5Lや15kgといった大容量サイズは実店舗では取り扱いが少ないため、通販での購入が便利です。また、ポイント還元などを利用すれば、さらにお得に購入できる場合もあります。

通販での購入時の注意点

相場から著しく安い価格で販売されている商品には注意が必要です。後述する「偽物」の可能性もゼロではありません。販売元の評価やレビューをよく確認し、信頼できるショップから購入することを強くお勧めします。

購入前に知りたい偽物を見分ける3つのポイント

購入前に知りたい偽物を見分ける3つのポイント
お家の洗剤屋さん:イメージ

残念ながら、パストリーゼのような人気商品には、中身を別の安価なアルコールに入れ替えた「偽物」が流通してしまうことがあります。特にフリマアプリや信頼性の低い通販サイトでの購入は注意が必要です。本物を手に入れるために、偽物を見分けるポイントを知っておきましょう。

  1. におい:
    本物のパストリーゼはアルコール濃度が77%と高いため、鼻にツンとくる強いアルコール臭がします。もし購入した製品のアルコール臭が明らかに弱い場合は、偽物である可能性が疑われます。
  2. 揮発性:
    高濃度のアルコールは揮発性(蒸発のしやすさ)が非常に高いです。布などにスプレーしてみて、乾くのが遅い、いつまでも湿っているような場合は、アルコール濃度が低い偽物の可能性があります。
  3. 見た目(色):
    本物は緑茶カテキンの影響で、新品でもわずかに黄色がかっていたり、時間が経つと琥珀色に変色したりします。一方で、偽物は単なるアルコール水であるため、長期間使用しても無色透明のままであることが多いです。

最も確実な対策は、偽物を購入するリスクのある場所を避けることです。製造元のドーバー酒造公式サイトや、Amazon・楽天市場の公式ストア、信頼できる大手ドラッグストアなど、正規のルートで購入することが、安全な製品を手に入れるための最善の方法と言えます。

パストリーゼの使用期限についてのまとめ

以下はこの記事のまとめです。

この記事のまとめ
  • パストリーゼに明確な使用期限はない
  • 適切な保管方法なら半永久的に使用可能とされている
  • 保管の際はフタを固く閉め直射日光を避けた冷暗所が基本
  • 開封後はなるべく数年以内に使い切ることが推奨される
  • 液体が変色するのは緑茶カテキンが原因で品質に問題はない
  • 主成分は高濃度アルコールであり引火の危険性がある
  • 火気の近くでの使用は絶対に避ける
  • フローリングや革製品など使用できない素材がある
  • 手指の除菌にも使用可能だが医薬品の消毒液ではない
  • アルコール濃度77%でコロナウイルスにも有効とされる
  • ノロウイルスなど一部のウイルスには効果が限定的
  • 汚れを落としてから使うのが効果を高めるコツ
  • コストコでは大容量セットが非常に安価に購入できる
  • 通販サイトでは価格や販売元を比較し信頼できる店舗を選ぶ
  • においや揮発性で偽物を見分けられる可能性がある
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