洗濯したはずのタオルから嫌な臭いがしたり、黒い点々が浮いていたりしませんか。
ワイドハイターや人気のオキシクリーンを使ってもタオルの黒カビが取れないと悩んでいる方は少なくないでしょう。特に、酸素系漂白剤では落ちない頑固な黒カビやピンク汚れは、見た目だけでなく衛生的にも気になります。
この記事では、黒くなったタオルを白くする方法として、キッチンハイターのような塩素系漂白剤を使った正しい落とし方を徹底解説します。カビキラーの使用に関する疑問にも触れながら、諦めていたタオルの黒カビへの対象方法を解説します。
- なぜ通常の洗濯ではタオルの黒カビが落ちないのかがわかる
- 酸素系漂白剤と塩素系漂白剤の違いと使い分けを理解できる
- キッチンハイターを使った具体的な黒カビの除去手順がわかる
- 黒カビを再発させないための予防策を知ることができる

タオルの黒カビはキッチンハイターで落ちる?
- なぜタオルの黒カビが取れないのか
- 酸素系漂白剤では黒カビは落ちない?
- ワイドハイターEXパワーの効果を解説
- オキシクリーンでのカビ除去の限界
- ワイドハイターでも漂白は難しい場合
なぜタオルの黒カビが取れないのか

毎日きちんと洗濯しているにもかかわらず、いつの間にかタオルに現れる黒い点々。これは黒カビ(学名:クラドスポリウムなど)という真菌の一種です。通常の洗濯用洗剤で洗ってもなかなか落ちないのは、黒カビが植物のように繊維の奥深くまで菌糸を伸ばし、しっかりと根を張ってしまうためです。
タオルは水分を吸収しやすく、使用後には皮脂や石鹸カスといったカビの栄養分が付着しています。この「水分」「栄養」「適度な温度」という3つの条件が揃うと、黒カビは驚くべきスピードで繁殖を開始します。特に、濡れたタオルを洗濯カゴに長時間放置する習慣は、カビにとって最高の環境を提供してしまう行為なのです。
一度繊維の奥に定着した黒カビは、表面の汚れを落とすだけの洗濯では菌糸まで届かず、色素も残ってしまいます。これが、何度洗ってもタオルの黒カビが取れない根本的な理由です。
酸素系漂白剤では黒カビは落ちない?
タオルの黒カビ対策として、まず思い浮かぶのが酸素系漂白剤かもしれません。酸素系漂白剤は、主成分である過炭酸ナトリウムがお湯と反応して酸素の泡を発生させ、その力で汚れを分解し、除菌・消臭するアイテムです。色柄物にも安心して使える手軽さが魅力です。
しかし、酸素系漂白剤の漂白力は塩素系に比べて穏やかです。そのため、発生して間もない軽度の黒カビや、皮脂汚れによる全体の黒ずみには効果を発揮しますが、繊維の奥深くまで根を張り、色素が沈着してしまった頑固な黒カビを完全に除去するには力不足となるケースが少なくありません。
「酸素系漂白剤でつけ置きしたのに、黒い点々が薄くならなかった」という経験は、漂白剤の特性によるものなのです。
酸素系漂白剤は、普段の洗濯にプラスして使う「予防」や「初期対応」には非常に有効です。しかし、すでに発生してしまった手強い黒カビには、より強力なアプローチが必要になります。
ワイドハイターEXパワーの効果を解説
花王から販売されている「ワイドハイターEXパワー」は、液体タイプの酸素系漂白剤として非常に人気のある商品です。洗剤と一緒に洗濯機に入れるだけで、黄ばみや汗の臭いをスッキリ落とす効果が期待できます。
この製品も酸素系漂白剤の一種であり、主な役割は皮脂汚れの分解や雑菌の除菌・抗菌です。公式サイトでも、洗剤だけでは落ちない汚れやニオイへの効果がうたわれています。(参照:ワイドハイター公式)
もちろん、カビ菌の除菌にも一定の効果はありますが、前述の通り、その力は黒カビの色素を強力に漂白するまでには至らないことがほとんどです。タオルの生乾き臭の予防や、全体のくすみを解消する目的での使用には適していますが、黒い点々を消し去るための特効薬とは考えにくいでしょう。
オキシクリーンでのカビ除去の限界

「オキシ漬け」という言葉で一躍有名になった「オキシクリーン」も、酸素系漂白剤の代表的な製品です。40~60℃のお湯に溶かしてつけ置きすることで、衣類や食器、さらには洗濯槽まで様々なものをきれいにできると評判です。
オキシクリーンも、その主成分は過炭酸ナトリウムです。基本的なメカニズムは他の酸素系漂白剤と同じで、発生する酸素の泡で汚れを浮き上がらせて除去します。つけ置きによって漂白成分をじっくり浸透させるため、通常の洗濯より高い効果が期待できます。
それでもやはり、酸素系の漂白力には限界があります。長期間放置され、繊維の構造にがっちりと食い込んでしまった黒カビの色素は、オキシ漬けをもってしても完全には分解しきれないことが多いのが実情です。期待して長時間つけ置きしたのに効果が薄いと、がっかりしてしまいます。
ワイドハイターでも漂白は難しい場合
ここまで見てきたように、「ワイドハイター」シリーズ(EXパワーやPRO粉末タイプなど)や「オキシクリーン」に代表される酸素系漂白剤は、日常的な汚れや臭い対策には非常に優れたアイテムです。
酸素系漂白剤が得意なこと
- 黄ばみ・黒ずみの原因となる皮脂汚れの除去
- 生乾き臭などの雑菌の除菌と消臭
- 発生初期の軽度なカビへの対応
しかし、一度定着してしまった頑固な黒カビは、これらの「得意分野」を超えた強敵です。繊維自体がカビによって変質・染色されてしまっている状態に近いため、汚れを分解するアプローチだけでは太刀打ちできないのです。
このような状況で必要になるのが、色素そのものを化学的に分解する、より強力な漂白作用を持つ薬剤、すなわち塩素系漂白剤なのです。
タオル黒カビをキッチンハイターで落とす方法
- 塩素系漂白剤で黒カビは除去できる
- 黒くなったタオルを白くする方法とは
- カビキラーをタオルに使うのはNG?
- ピンク汚れもハイターで除去可能か
- それでも汚れが落ちない場合の対処法
- タオル黒カビとキッチンハイターの落とし方
塩素系漂白剤で黒カビは除去できる

酸素系漂白剤で落ちなかった頑固な黒カビに絶大な効果を発揮するのが、「キッチンハイター」に代表される塩素系漂白剤です。その主成分である次亜塩素酸ナトリウムは、非常に強力な酸化作用を持ち、カビの細胞膜を破壊して死滅させると同時に、カビが作り出した色素も分解して白くする働きがあります。
これは、インフルエンザウイルスやノロウイルスの消毒にも使われるほど強力な作用であり、繊維の奥に根を張った黒カビ菌も根本から除去することが可能です。
種類 | 酸素系漂白剤 | 塩素系漂白剤 |
---|---|---|
主成分 | 過炭酸ナトリウムなど | 次亜塩素酸ナトリウム |
特徴 | 漂白力が穏やか | 漂白力・殺菌力が非常に強い |
メリット | 色柄物にも使える、ツンとした臭いが少ない | 頑固なカビやシミを強力に落とせる |
デメリット | 頑固なカビの色素は落としきれないことがある | 色柄物は色落ちする、独特の塩素臭がある |
使えるタオル | 綿、麻、化学繊維など(色柄物OK) | 白物の綿、麻、ポリエステルなど |
このように、塩素系漂白剤はまさに黒カビ除去の切り札と言えますが、その強力さゆえに、使用できる素材が限られます。色柄物のタオルに使うと、カビだけでなく元の色まで真っ白に漂白してしまうため、絶対に使用しないでください。
黒くなったタオルを白くする方法とは
キッチンハイターを使って黒カビを除去する具体的な手順を解説します。作業を行う際は、必ず換気をし、ゴム手袋を着用してください。
ステップ1:準備するもの
- キッチンハイター(液体タイプ)
- ゴム手袋
- バケツや洗面器
- カビの生えた白いタオル
ステップ2:漂白液を作り、つけ置きする
バケツに水を張り、キッチンハイターを適量加えます。製品のラベルに記載されている「つけおき」の濃度を参考にしてください。花王のキッチンハイター(大)の場合、水5Lに対してキャップ約1.2杯(約30ml)が目安とされています。
漂白液が完成したら、黒カビの生えたタオルを浸し、30分〜1時間程度つけ置きします。長時間つけすぎると生地を傷める原因になるため、時間を守りましょう。
カビが特にひどい部分には、漂白液に浸す前に、水で薄めたハイターを直接塗布しておくとより効果的です。
ステップ3:しっかりとすすぎ、洗濯する
つけ置きが終わったら、タオルをバケツから取り出し、漂白剤の成分が完全になくなるまで、流水で念入りにすすぎます。このすすぎが不十分だと、次に洗濯する際に他の衣類に影響が出たり、洗濯槽を傷めたりする可能性があるため、丁寧に行ってください。
しっかりとすすいだ後は、他の洗濯物とは分け、単独で通常の洗濯機洗いをします。洗剤は入れても入れなくても構いません。洗濯が終わったら、すぐに干してよく乾かせば完了です。黒い点々が消え、真っ白な状態に戻っているはずです。
カビキラーをタオルに使うのはNG?

お風呂場のカビ取り剤として有名な「カビキラー」。その主成分もキッチンハイターと同じ次亜塩素酸塩であるため、「タオルにも使えるのでは?」と考える方がいるかもしれません。
理論上はカビを落とす効果は期待できますが、衣類への使用は絶対に避けるべきです。
カビキラーをタオルに使ってはいけない理由
浴室用カビ取り剤には、カビに密着して浸透しやすくするために、界面活性剤や増粘剤などが含まれています。これらの成分は衣類への使用を想定しておらず、タオルの繊維を傷めたり、ごわつきの原因になったりする可能性が非常に高いです。また、すすぎが不十分な場合に肌トラブルを引き起こすリスクも考えられます。必ず用途に合った漂白剤を使用しましょう。
ピンク汚れもハイターで除去可能か
タオルに見られる汚れは黒カビだけではありません。気づくとピンク色になっている「ピンク汚れ」に悩まされることもあります。この汚れの正体は、「ロドトルラ」という酵母菌の一種です。黒カビよりも繁殖スピードが速いのが特徴で、水分があればすぐに発生します。
このピンク汚れも、キッチンハイターのような塩素系漂白剤で簡単に除去できます。黒カビと同じ手順でつけ置き洗いを行うことで、原因菌をしっかりと除菌し、ピンク色もきれいに落とすことが可能です。
また、日焼け止めに含まれる成分が塩素系漂白剤と反応してピンク色に変色することがありますが、この場合も慌てずに一度しっかりすすぎ、酸素系漂白剤で洗い直すことで色が落ちる場合があります。
それでも汚れが落ちない場合の対処法

塩素系漂白剤を使っても黒カビが完全には落ちない、というケースも稀にあります。その場合、以下の原因が考えられます。
- 長期間の放置による深刻な色素沈着:カビが繊維の構造そのものを変質させてしまい、漂白では元に戻らない状態。
- カビではなく別の汚れ:サビなどが付着している場合、漂白剤では落ちません。
このような状態になってしまったタオルは、残念ながら元通りにするのは極めて困難です。タオルの寿命と判断し、新しいものに交換することをおすすめします。
ただ、捨てるのはもったいないと感じる場合は、小さくカットして掃除用のウエス(雑巾)として再利用するのも良い方法です。最後まで無駄なく活用できます。
タオル黒カビとキッチンハイターの落とし方
以下はこの記事のまとめです。
- タオルの黒カビは繊維の奥に根を張るため通常の洗濯では落ちない
- カビの栄養源は水分や皮脂、石鹸カスなどである
- 酸素系漂白剤は漂白力が穏やかで頑固な黒カビには効果が薄い
- ワイドハイターやオキシクリーンは酸素系漂白剤に分類される
- 酸素系漂白剤は色柄物に使えるが黒カビの色素分解力は弱い
- 塩素系漂白剤は次亜塩素酸ナトリウムが主成分で殺菌力と漂白力が非常に強い
- キッチンハイターは塩素系漂白剤であり頑固な黒カビ除去に有効
- 塩素系漂白剤は色柄物に使うと色落ちするため白いタオルに限定して使用する
- 作業時は必ず換気を行いゴム手袋を着用する
- 規定の濃度に薄めた液に30分から1時間ほどつけ置きする
- つけ置き後は漂白成分が残らないよう念入りにすすぐことが重要
- すすいだ後は単独で洗濯機にかけると良い
- カビキラーは衣類への使用を想定しておらず生地を傷めるため使わない
- ピンク汚れの正体は酵母菌で塩素系漂白剤で除去できる
- 塩素系漂白剤でも落ちない場合はタオルの寿命と考え買い替えを検討する
