カイガラムシ駆除に重曹は効く?安全な使い方と対策方法を解説

カイガラムシ駆除に重曹は効く?安全な使い方と対策方法を解説

大切に育てている植物に、いつの間にか付いている白い綿のような物体…。「これは何だろう?」と調べてみたら、カイガラムシでがっかりした経験はありませんか?

カイガラムシの駆除に重曹が使えるという話を聞いたけれど、本当に効果があるのか、どう使えばいいのか疑問に思いますよね。観葉植物に発生しやすいコナカイガラムシなど、放置するとどうなるのか、そもそも増える原因は何なのか、不安は尽きないでしょう。

この記事では、カイガラムシ駆除における重曹の効果的な使い方から、簡単に駆除する方法、さらには酢や牛乳、木酢液は効くのかといった疑問にもお答えします。

また、冬の対策や、オルトランをはじめとする殺虫剤のおすすめまで、あなたの悩みを解決するための情報を網羅的に解説していきます。

この記事のポイント
  • 重曹を使ったカイガラムシ駆除の具体的な手順
  • 酢や牛乳など身近なアイテムを使った駆除方法の比較
  • カイガラムシの生態と効果的な駆除・予防のタイミング
  • カイガラムシの種類や発生場所に応じた最適な対処法
目次

カイガラムシ駆除に重曹は効果的?作り方と使い方

  • カイガラムシが増える原因とは?
  • カイガラムシを放置するとどうなる?
  • 観葉植物のコナカイガラムシ対策
  • 簡単に駆除する方法を知ろう
  • 冬のカイガラムシ対策と駆除方法

カイガラムシが増える原因とは?

カイガラムシが増える原因とは?
お家の洗剤屋さん:イメージ

カイガラムシがいつの間にか発生していて驚いた、という方は多いのではないでしょうか。カイガラムシは、何もないところから自然に発生するわけではありません。主な原因は、外部からの侵入です。

最も多い侵入経路の一つが、風に乗って運ばれてくるケースです。特に幼虫は非常に小さく軽いため、風に乗って遠くまで飛散し、ベランダや庭の植物に付着します。窓を開けた際に室内に侵入し、観葉植物に寄生することも珍しくありません。

また、人間の衣服や持ち物に付着して屋内に持ち込まれることもあります。ガーデニング作業や外出の際に、気づかないうちに付着したカイガラムシが、室内の植物に移ってしまうのです。

さらに見落としがちなのが、購入した植物の苗に最初から付着しているケースです。購入時には卵やごく小さな幼虫で目立たなくても、自宅に持ち帰ってから繁殖してしまうことがあります。新しい植物を家に迎える際は、葉の裏や枝の付け根などをよく確認することが大切です。

カイガラムシ発生の主な原因

  • 風による飛来(特に幼虫)
  • 人や物への付着による持ち込み
  • 購入した植物への付着
  • 風通しの悪い環境での繁殖

そして、一度侵入したカイガラムシは、風通しが悪く、湿度が高い場所を好んで繁殖します。葉が密集している場所や、日当たりが悪い場所は、カイガラムシにとって絶好の住処となってしまうため、植物の置き場所や剪定も重要なポイントになります。

カイガラムシを放置するとどうなる?

カイガラムシは小さく、動きも少ないため「少しだけだから大丈夫だろう」と放置してしまうことがあるかもしれません。しかし、それは非常に危険です。カイガラムシを放置すると、植物に深刻なダメージを与え、様々な二次被害を引き起こします。

植物の生育阻害

カイガラムシは植物の葉や茎、枝に口針を突き刺し、樹液を吸って栄養源とします。寄生された植物は栄養を奪われ、生育が悪くなります。新芽が出なくなったり、葉が黄色く変色して落ちたり、最悪の場合は枝全体が枯れてしまうこともあります。

二次被害「すす病」と「こうやく病」

カイガラムシは、糖分を多く含んだ甘くベタベタした排泄物(甘露)を出します。この甘露が付着した葉や枝には、空気中のカビ(菌)が繁殖しやすくなります。これが原因で、以下のような病気を引き起こすのです。

  • すす病葉や枝が黒いすすで覆われたようになり、光合成を妨げて植物の生育をさらに悪化させます。
  • こうやく病枝や幹にビロード状のカビが発生し、植物の成長を阻害します。

カイガラムシの放置は危険です!
見た目の問題だけでなく、植物の健康を著しく損ない、枯れる原因となります。繁殖力が非常に強いため、少数でも見つけたらすぐに対処することが重要です。

他の害虫の誘引

前述の通り、カイガラムシの排泄物は甘いため、アリやアブラムシなどを引き寄せる原因にもなります。アリは甘露を求めて集まるだけでなく、天敵からカイガラムシを守ることがあり、結果的にカイガラムシの繁殖を助けてしまうことにも繋がります。

このように、カイガラムシを放置することにメリットは一つもありません。発見次第、迅速に駆除することが、大切な植物を守るための鍵となります。

観葉植物のコナカイガラムシ対策

観葉植物のコナカイガラムシ対策
お家の洗剤屋さん:イメージ

室内で育てている観葉植物に発生する白い綿のような虫、その正体は「コナカイガラムシ」であることが多いです。コナカイガラムシは繁殖力が強く、気づいたときには株全体に広がっていることも少なくありません。しかし、適切な対策を知れば、しっかりと駆除することが可能です。

まず大切なのは、早期発見と物理的な除去です。コナカイガラムシは、葉の裏、葉の付け根(葉腋)、新芽の周辺など、見えにくい場所に潜んでいることが多いです。日々の水やりや観察の際に、これらの場所を重点的にチェックする習慣をつけましょう。

コナカイガラムシは白くてフワフワしているので、ホコリと見間違えることもあります。少しでも怪しいと思ったら、ティッシュなどで触って確認してみるのがおすすめです。

発生が初期段階で数が少ない場合は、湿らせたティッシュや綿棒、使い古しの歯ブラシなどで直接こすり落とすのが最も確実で手軽な方法です。植物を傷つけないように、優しく丁寧に取り除いてください。

広範囲に発生してしまった場合は、重曹スプレーの出番です。作り方は非常に簡単です。

観葉植物用・重曹スプレーの作り方

水1リットルに対して、食用の重曹を1〜2g(小さじ1/4程度)溶かします。スプレーボトルに入れて、よく振ってから使用してください。

※濃度が濃すぎると葉を傷める可能性があるため、まずは目立たない葉で試してから全体に散布しましょう。

この重曹スプレーを、コナカイガラムシがいる場所にまんべんなく吹きかけます。特に葉の裏や茎の隙間など、隠れている場所にもしっかりと届くように散布するのがコツです。散布後、しばらくしてからシャワーなどで洗い流すと、死骸や排泄物をきれいにすることができます。

もし被害がひどい葉や枝があれば、思い切って剪定してしまうのも有効な手段です。これにより、被害の拡大を防ぎ、風通しを良くして再発を予防する効果も期待できます。

簡単に駆除する方法を知ろう

カイガラムシの駆除は、成虫か幼虫かによって効果的な方法が異なります。最も簡単で効果的なのは、薬剤への耐性が低い「幼虫」の時期に集中的に対処することです。

幼虫の駆除方法 (5月〜7月がピーク)

カイガラムシの多くは春から夏にかけて孵化し、幼虫になります。この時期の幼虫はまだ硬い殻に覆われておらず、移動も活発なため、薬剤が効きやすい絶好の駆除タイミングです。

市販のカイガラムシ用殺虫剤(エアゾールタイプなど)を散布するのが手軽で効果的です。薬剤を使用する際は、説明書をよく読み、用法・用量を守ってください。植物全体、特に葉の裏や枝の付け根にしっかりかかるように散布しましょう。

成虫の駆除方法 (通年)

成虫になると、多くのカイガラムシはロウ物質や硬い殻で体を覆うため、薬剤が浸透しにくくなります。そのため、成虫に対しては物理的に取り除く方法が最も確実で簡単です。

成虫の物理的駆除の手順

  1. 準備するもの:使い古しの歯ブラシ、ヘラ、綿棒、ティッシュなど。
  2. こすり落とす:植物の枝や葉を傷つけないように、片手で支えながら、歯ブラシなどで優しくカイガラムシをこすり落とします。
  3. 洗い流す:こすり落とした後、シャワーやホースの弱い水流で植物全体を洗い流します。これにより、目に見えない幼虫や排泄物も除去できます。
  4. 処分する:駆除したカイガラムシは、ビニール袋に入れてしっかりと口を縛り、ゴミとして処分します。周辺に放置しないようにしましょう。

カイガラムシを潰すと体液が出ることがあります。念のため、手袋を着用して作業することをおすすめします

もし、特定の枝に大量に発生している場合は、その枝ごと剪定してしまうのも一つの手です。被害の拡大を防ぎ、他の健康な部分を守ることができます。

冬のカイガラムシ対策と駆除方法

冬は多くの植物が休眠期に入り、カイガラムシの活動も鈍くなります。一見すると害虫対策は不要に思えるかもしれませんが、実は冬こそがカイガラムシ駆除の絶好のチャンスなのです。

冬の間、カイガラムシは成虫や卵の状態で、木の幹や枝の隙間、粗皮(古い樹皮)の下などで越冬します。落葉樹であれば葉が落ちて枝全体が見やすくなるため、夏場は見つけにくかったカイガラムシを発見しやすくなります。

この時期に効果的なのが、マシン油乳剤の使用です。

マシン油乳剤とは?

マシン油乳剤は、鉱物油を主成分とした薬剤で、散布すると油の膜がカイガラムシの体を覆い、呼吸をできなくさせて窒息死させます。物理的に作用するため、薬剤抵抗性がつきにくいのが特徴です。成虫だけでなく、硬い殻に守られた卵にも効果が期待できます。

マシン油乳剤は、植物が休眠している冬期(12月〜2月頃)に使用するのが一般的です。植物が活動している時期に使うと、油膜が新芽や葉の気孔を塞いでしまい、薬害(生育不良など)を引き起こす可能性があるため、必ず使用時期と希釈倍率を守りましょう。

冬の駆除手順

  1. 物理的除去:まず、ブラシなどを使って、目に見えるカイガラムシの成虫をできるだけこすり落とします。これを「粗皮削り」と呼び、越冬している害虫の数を減らすのに非常に有効です。
  2. マシン油乳剤の散布:製品の指示に従って希釈したマシン油乳剤を、噴霧器などで植物全体にムラなく散布します。枝の分かれ目や幹の隙間など、カイガラムシが潜んでいそうな場所にも丁寧に吹きかけます。

冬の地道な作業が、春以降のカイガラムシの大量発生を防ぐ鍵になります。剪定作業と合わせて行うと効率的ですよ。

もちろん、この記事で紹介している重曹スプレーも冬の駆除に利用できますが、卵への効果は限定的です。越冬している成虫や卵まで一網打尽にしたい場合は、マシン油乳剤の使用を検討するのがおすすめです。

カイガラムシ駆除は重曹以外の方法も知っておこう

  • カイガラムシの駆除に酢は使える?
  • 牛乳を使ったカイガラムシの駆除
  • カイガラムシに木酢液は効く?
  • カイガラムシにオルトランは有効か
  • 市販の殺虫剤 おすすめと選び方
  • カイガラムシ駆除は重曹をうまく活用しよう

カイガラムシの駆除に酢は使える?

カイガラムシの駆除に酢は使える?
お家の洗剤屋さん:イメージ

重曹と並んで、家庭にあるものでカイガラムシ対策ができないかと考えたときに、よく名前が挙がるのが「酢」です。結論から言うと、酢もカイガラムシ駆除に一定の効果が期待できます

酢に含まれる酢酸には、カイガラムシの体を覆っているロウ物質を溶かしたり、気門(呼吸するための穴)を塞いで窒息させたりする効果があると考えられています。また、害虫を寄せ付けにくくする忌避効果も期待できます。

酢スプレーの作り方と使い方

作り方は重曹スプレーと同様に簡単ですが、濃度には注意が必要です。

穀物酢や米酢などの食酢と水を1:1の割合で薄め、スプレーボトルに入れてよく混ぜます。植物への影響が心配な場合は、水で30倍程度まで薄めても使用できます。

この酢スプレーを、カイガラムシに直接かかるように噴霧します。週に1〜2回程度の使用が目安です。雨が降った後などは効果が薄れるため、再度スプレーすると良いでしょう。

酢を使う際の注意点

手軽で環境に優しい一方、酢にはデメリットや注意点も存在します。

植物へのダメージ

酢は酸性が強いため、濃度が濃すぎたり、使用頻度が高すぎたりすると、植物の葉を傷めたり、土壌を酸性化させてしまったりする可能性があります。必ず希釈して使用し、まずは目立たない部分で試してから全体に散布するようにしてください。

特有の匂い

酢には特有の酸っぱい匂いがあります。屋外での使用なら気にならないかもしれませんが、室内の観葉植物に使うと、部屋に匂いが充満してしまう可能性があります。使用する際は、十分な換気を行いましょう。

即効性はない

化学農薬のように、散布してすぐにカイガラムシが死ぬといった即効性は期待できません。効果を実感するまでには、根気強く続ける必要があります。

これらの点から、酢は化学薬品を使いたくない場合の選択肢の一つとして有効ですが、植物の状態をよく観察しながら慎重に使用することが大切です。

牛乳を使ったカイガラムシの駆除

「牛乳でカイガラムシを駆除できる」という話もよく耳にします。これは、スプレーした牛乳が乾燥する際に膜を作り、カイガラムシの気門(呼吸孔)を塞いで窒息させるという物理的な作用を利用した方法です。

化学成分を使わないため、特に収穫が近い野菜や果樹など、薬剤の使用をためらう植物にも安心して使えるのが大きなメリットです。

牛乳スプレーの使い方

使い方は非常にシンプルです。

牛乳と水を1:1の割合で混ぜたものをスプレーボトルに入れ、カイガラムシがいる場所にまんべんなく吹きかけます。牛乳が乾燥して効果を発揮するまで、数時間そのままにしておきます。

重要なのは、その後の処理です。

牛乳を使う際の最大の注意点

牛乳を使った駆除法には、見過ごせない大きなデメリットがあります。

散布後は必ず洗い流すこと!
スプレーした牛乳をそのまま放置すると、腐敗して強烈な悪臭を放ちます。特に気温が高い夏場は注意が必要です。また、腐敗した牛乳はカビの発生源となり、すす病などの新たな病気を引き起こす原因にもなりかねません。

そのため、牛乳スプレーを散布して数時間後、膜が乾いたのを確認したら、必ず水で植物全体をきれいに洗い流してください。

この「洗い流す」という手間と、腐敗のリスクを考えると、特に室内での使用はあまりおすすめできません。屋外の植物で、すぐに洗い流せる環境がある場合に試すのが良いでしょう。

牛乳スプレーはアブラムシなど他の害虫にも効果があるとされていますが、これらのデメリットを理解した上で、利用シーンを慎重に選ぶ必要があります。

カイガラムシに木酢液は効く?

有機農法や自然農法に関心のある方なら、「木酢液(もくさくえき)」という名前を聞いたことがあるかもしれません。木酢液は、木炭を作る際に出る煙を冷却して液体にしたもので、独特の燻製のような香りが特徴です。この木酢液もカイガラムシ対策に利用されることがあります。

木酢液には、殺菌・殺虫効果を持つとされる多くの有機化合物が含まれており、害虫を寄せ付けにくくする忌避効果が主な役割です。また、土壌の微生物を活性化させ、植物の成長を助ける土壌改良効果も期待されています。

木酢液の使い方

木酢液は原液のままでは刺激が強すぎるため、必ず水で薄めて使用します。

製品によって推奨される希釈倍率は異なりますが、一般的に害虫対策としては200倍〜500倍程度に薄めてスプレーボトルに入れ、植物全体に散布します。

カイガラムシの幼虫が発生する時期に定期的に散布することで、被害を予防する効果が期待できます。

木酢液のメリットとデメリット

メリット天然由来の成分で、環境への負荷が少ない。害虫の忌避だけでなく、土壌改良や植物の生育促進効果も期待できる。うどんこ病などの病気予防にも使われることがある。
デメリット市販の殺虫剤のような強力な殺虫効果や即効性は期待できない。製品によって成分や品質にばらつきがある。独特の燻製臭が強く、室内での使用には不向きな場合がある。希釈濃度を間違えると、植物に薬害が出ることがある。

木酢液は、カイガラムシを直接的に殺すというよりは、「発生しにくい環境を作る」ための予防資材として捉えるのが良いでしょう。すでに大量発生してしまったカイガラムシを駆除するには力不足な場合が多いため、歯ブラシでの除去や他の駆除方法と組み合わせて使用するのが効果的です。

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カイガラムシにオルトランは有効か

「オルトラン」は、家庭園芸で広く使われている代表的な殺虫剤の一つです。カイガラムシに悩んだ際に、この名前を思い浮かべる方も多いでしょう。オルトランはカイガラムシに対して有効ですが、その特性を理解して使うことが重要です。

オルトランの最大の特徴は、浸透移行性(しんとういこうせい)」である点です。

浸透移行性とは?

薬剤が植物の根や葉から吸収され、植物の体内を巡って隅々まで行き渡る性質のことです。これにより、薬剤が直接かからなかった場所に隠れている害虫や、植物の汁を吸った害虫を内側から駆除することができます。

この性質により、葉の裏や枝の密集した部分に隠れているカイガラムシにも効果を発揮します。オルトランには、土に混ぜる「粒剤」タイプと、水に薄めて散布する「水和剤」タイプがあります。

  • オルトラン粒剤:株元に撒くだけで効果が持続するため、手間がかからず予防的な使い方ができます。効果が現れるまでに少し時間がかかります。
  • オルトラン水和剤:水に溶かしてスプレーするため、速効性が期待できますが、効果の持続期間は粒剤より短めです。

オルトランを使う上でのポイントと注意点

非常に便利なオルトランですが、万能ではありません。

成虫には効きにくい場合がある
前述の通り、硬い殻やロウ物質で覆われたカイガラムシの成虫には、効果が薄いことがあります。オルトランが最も効果を発揮するのは、薬剤への耐性が低い幼虫の時期です。

予防としての使用が効果的
このような特性から、オルトランは「すでに大量発生した成虫を駆除する」というよりは、「幼虫が発生する時期に合わせて事前に使用し、被害を未然に防ぐ」という予防的な使い方で真価を発揮します。

「オルトランが効かない」と感じる場合は、成虫が相手であったり、使用するタイミングがずれていたりする可能性があります。成虫を見つけた場合は、まず歯ブラシなどで物理的に除去し、その上で再発防止としてオルトランを使用するなど、他の方法と組み合わせることが駆除成功の鍵となります。

市販の殺虫剤 おすすめと選び方

市販の殺虫剤 おすすめと選び方
お家の洗剤屋さん:イメージ

重曹や酢などを使ってもカイガラムシが減らない場合や、とにかく早く確実に駆除したい場合には、市販の殺虫剤の使用が最も効果的です。カイガラムシ用の殺虫剤には様々な種類があるため、目的や状況に合わせて適切なものを選びましょう。

殺虫剤の主なタイプ

タイプ特徴おすすめのシーン
スプレー(エアゾール)剤すぐに使える手軽さが魅力。ジェット噴射で高い場所にも届く製品もある。速効性のある成分と持続性のある成分を組み合わせたものが多い。カイガラムシを発見して、すぐに駆除したいとき。広範囲に発生している場合。
浸透移行性粒剤(オルトランなど)株元の土に撒くだけで、根から吸収された成分が植物全体に行き渡る。効果が長期間持続する。予防目的で使いたいとき。散布しにくい場所にいる害虫を退治したいとき。
マシン油乳剤油膜で害虫を窒息させる物理的な作用。薬剤抵抗性がつきにくい。越冬している成虫や卵に効果的。冬の休眠期に、越冬しているカイガラムシをまとめて駆除したいとき。

殺虫剤を選ぶ際のポイント

  1. 対象の植物を確認する
    薬剤によっては、使用できる植物が限定されている場合があります。特に野菜や果樹など口にする植物に使う場合は、「食用の〇〇に登録があるか」を必ず確認してください。
  2. カイガラムシの種類や時期に合わせる
    白い綿に覆われたコナカイガラムシか、硬い殻を持つカタカイガラムシかによっても効果的な薬剤が異なります。また、幼虫の発生時期(5月〜7月)には通常の殺虫剤、冬の越冬期にはマシン油乳剤、といったように時期で使い分けるのが効果的です。
  3. 使いやすさで選ぶ
    希釈する手間が面倒な方はスプレータイプ、予防的に使いたい方は粒剤タイプなど、ご自身の園芸スタイルに合った剤形を選びましょう。

最近では、天然由来成分(除虫菊エキスなど)を使用した、環境や人に優しいタイプの殺虫剤も増えています。ペットや小さなお子さんがいるご家庭では、そういった製品を選ぶのも一つの手ですね。

どの殺虫剤を使用する場合でも、製品のラベルに記載されている使用方法、使用回数、希釈倍率などを必ず守り、安全に使いましょう。

カイガラムシ駆除は重曹をうまく活用しよう

この記事では、カイガラムシの駆除方法について、重曹を中心に様々な角度から解説してきました。最後に、重要なポイントをまとめます。

この記事のまとめ
  • カイガラムシは風や人に付着して外部から侵入する
  • 増える原因は風通しの悪さや高い湿度にある
  • 放置すると植物の生育が悪くなるほか、すす病などの二次被害を引き起こす
  • 観葉植物には白い綿状のコナカイガラムシが発生しやすい
  • 駆除の基本は、幼虫の時期に薬剤で、成虫は歯ブラシなどで物理的に除去すること
  • 冬は活動が鈍るため、マシン油乳剤などを使った駆除の絶好のタイミング
  • 重曹スプレーは、水1Lに対し重曹1〜2gで作り、幼虫や成虫に効果が期待できる
  • 重曹はアルカリ性でカイガラムシにダメージを与えるが、濃度に注意が必要
  • 酢も駆除に使えるが、植物へのダメージや匂いに注意する
  • 牛乳は窒息させる効果があるが、腐敗臭やカビのリスクがあるため使用後は必ず洗い流す
  • 木酢液は直接的な殺虫効果より、忌避効果を目的とした予防的な使用が向いている
  • オルトランは浸透移行性で予防効果が高いが、成虫には効きにくい場合がある
  • 市販の殺虫剤は、スプレー剤や粒剤などがあり、状況に応じて使い分けるのがおすすめ
  • 薬剤を選ぶ際は、対象植物や使用時期を確認することが大切
  • カイガラムシ対策は、早期発見と、駆除・予防を組み合わせた総合的な管理が成功の鍵
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