無添加洗剤のデメリットを知りたい方は、肌への優しさを期待して無添加製品を検討しつつも、その洗浄効果や使い勝手に不安をお持ちではないでしょうか。
無添加洗濯洗剤のデメリットや、無添加石鹸のデメリットとして、汚れが本当によく落ちるのか、また洗濯槽にカビが発生しやすいといった情報を耳にすることもあるかもしれません。特に「さらさ」は人気ですが、その成分の危険性や、さらさを使った場合の洗濯槽カビのリスクについて気になる方もいるでしょう。
この記事では、買ってはいけない洗濯洗剤の特徴から、皮膚科医もすすめる体にいい洗濯洗剤まで、おすすめの製品をランキング形式も交えて比較し、無添加洗剤のデメリットと賢い選び方を解説します。
- 無添加洗剤の具体的なデメリット
- 洗濯槽にカビが発生する原因と対策
- 「さらさ」の成分と使用時の注意点
- 肌に優しい洗剤の選び方とおすすめ製品
無添加洗剤のデメリットの主な内容
- 無添加洗濯洗剤のデメリットとは
- 無添加石鹸のデメリットとは
- 洗浄効果は?汚れがよく落ちるのか
- 洗濯槽のカビ発生リスク
- 「さらさ」成分の危険性
- 「さらさ」と洗濯槽カビの関係
無添加洗濯洗剤のデメリットとは

無添加洗濯洗剤は、肌や環境への優しさが魅力ですが、いくつかのデメリットも存在します。これらを理解した上で使用することが大切です。
主な理由は、合成洗剤に含まれる洗浄力を高めるための化学成分や、香りを長持ちさせるための合成香料、品質を保つための防腐剤などを使用していない点にあります。
無添加洗濯洗剤の主なデメリット
- 洗浄力がマイルド: 合成洗剤に比べ、皮脂汚れや頑固な油汚れを落とす力が弱い傾向があります。
- 石鹸カスが残りやすい: 特に石けん系の洗剤は、水道水中のミネラル分と反応して石鹸カスが発生しやすいです。
- 香りが少ない: 合成香料を使用していないため、香りがほとんどないか、天然素材由来の穏やかな香りのみです。
- コストが高い傾向: 天然由来の原料を使用したり、製造に手間がかかったりするため、合成洗剤より価格が高めになることがあります。
- 保存期間が短い: 防腐剤を使用していない製品は、開封後の使用期限が短い場合があります。
- ドラム式洗濯機での注意: 製品によっては、石鹸カスが詰まりやすいなどの理由でドラム式洗濯機での使用に注意が必要な場合があります。
このように、便利な合成洗剤に慣れていると、洗浄力や香りの面で物足りなさを感じることがあるかもしれません。しかし、これらは成分がシンプルであることの裏返しでもあります。
無添加石鹸のデメリットとは
前述の「無添加洗濯洗剤」と重なる部分もありますが、「無添加石鹸」という括りで見ると、洗濯以外(浴用や台所用)の用途も含むため、異なる視点からのデメリットも挙げられます。
洗濯用の無添加石鹸(純石けん分が主成分のもの)に焦点を当てた場合、以下のような点がデメリットとして考えられます。
まず、洗浄力が高い反面、肌に必要な皮脂まで落としすぎてしまい、乾燥や刺激を感じる可能性があります。これは特に、手洗いや部分洗いで直接石鹸に触れる場合に注意が必要です。
また、泡立ちを良くするための成分が含まれていないため、泡立ちが悪いと感じることもあります。しっかり泡立てないと洗浄効果が十分に発揮されず、結果として汚れ落ちが悪くなる可能性も否定できません。
泡立ちが悪い場合は、泡立てネットを使用したり、少量のお湯で先に石鹸を溶かしたりする工夫が有効です。
さらに、製品によっては溶けやすい性質を持つものもあります。湿気の多い場所に保管すると形が崩れやすくなるため、使用後は水はけの良い場所に保管するなど、管理に少し手間がかかることがあります。
洗浄効果は?汚れがよく落ちるのか

無添加洗剤の洗浄効果、つまり汚れがよく落ちるのかという点は、多くの方が最も懸念される部分でしょう。
結論から言えば、一般的な合成洗剤と比較した場合、洗浄力はマイルドである傾向があります。特に、皮脂汚れ、油汚れ、泥汚れといった頑固な汚れに対しては、合成界面活性剤を主成分とする洗剤に見劣りすることがあります。
例えば、ワイシャツの襟袖汚れや、食べこぼしのシミ、長期間蓄積した黄ばみなどは、一度の洗濯では落ちにくいかもしれません。
しかし、これは無添加洗剤が全く洗えないという意味ではありません。日常的な汗や軽い汚れであれば、多くの場合問題なく洗い上げることができます。洗浄力を補うための工夫次第で、満足のいく仕上がりにすることも可能です。
洗浄力を高める工夫
- お湯(ぬるま湯)を使う: 水温が低いと石鹸成分は溶けにくく、洗浄力も低下します。40℃前後のぬるま湯を使うことで、洗浄効果が高まります。
- 二度洗いや浸け置き: 汚れがひどい場合は、二度洗いをしたり、酸素系漂白剤などと併用して浸け置きしたりするのがおすすめです。
- 適量を守る: 洗剤量が少なすぎると汚れが落ちず、多すぎるとすすぎ残しの原因になります。
洗濯槽のカビ発生リスク
無添加洗剤、特に石けん系の洗剤を使用すると、洗濯槽にカビが発生しやすくなるというデメリットが指摘されています。
これは、石けん成分が水道水に含まれるマグネシウムやカルシウムといったミネラル分と反応し、「石鹸カス(金属石けん)」を生成するためです。
この石鹸カスは水に溶けにくく、洗濯槽の裏側など見えない部分に付着・蓄積しやすい性質があります。そして、蓄積した石鹸カスは、黒カビの格好の栄養源となってしまうのです。特に、赤ちゃんの肌着洗い用として人気の純石鹸成分は、カビが好む成分であるという情報もあります。
「肌に優しい洗剤を使っていたら、洗濯物に黒い海苔のようなものが付くようになった…」という経験がある方もいるかもしれません。それは、洗濯槽の裏側で発生したカビが剥がれ落ちたものです。
このリスクは、節水型のドラム式洗濯機で特に高まる傾向があります。使用する水量が少ないため、石鹸カスが十分にすすぎきれず、残留しやすいためと考えられます。
対策としては、月に1〜2回は洗濯槽クリーナー(酸素系漂白剤など)で定期的に槽洗浄を行うことが非常に重要です。また、粉末タイプの場合は事前にお湯でしっかり溶かしてから投入する、水量を多めに設定するなどの工夫も有効とされています。
「さらさ」成分の危険性

「さらさ」はP&Gから販売されている、「無添加」をうたった人気の洗剤です。しかし、この「無添加」という表記には注意が必要です。
「さらさ」のパッケージや公式サイトによると、無添加とされているのは「蛍光剤・漂白剤・着色料」の3種類のみです。つまり、これら以外の成分、例えば洗浄力を担う界面活性剤や香料は含まれています。
「さらさ」の主な成分(情報に基づく)
P&Gの公式サイト(成分情報)によると、(参照:P&G さらさ香料成分リストPDF)や製品表示に基づくと、以下のような成分が含まれているとされています。
- 合成界面活性剤: 洗浄成分として、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)やポリオキシエチレンアルキルエーテル(AE)などが含まれています。これらは一般的な合成洗剤にも広く使われている成分ですが、人によっては肌への刺激となる可能性が指摘されています。
- 香料: 「やさしい柑橘系の香り」とされていますが、香料も含まれています。天然由来成分であっても、アレルギー反応を引き起こす可能性は否定できません。
- 純石けん分(脂肪酸塩): 少量ですが、石けん成分も配合されているとの情報があります。
このように、「さらさ」は「化学成分ゼロ」の完全な無添加洗剤ではなく、肌への配慮をしつつ洗浄力も確保した「一部無添加」の合成洗剤と理解するのが適切です。そのため、成分の危険性がゼロとは言い切れません。肌が非常にデリケートな方や、化学物質を完全に避けたい方は、成分をよく確認する必要があります。
「さらさ」と洗濯槽カビの関係
前述の通り、「さらさ」は合成界面活性剤を主成分としつつ、一部に「純石けん分(脂肪酸塩)」も配合されているとの情報があります。
このため、「さらさ」の使用が洗濯槽カビの原因になり得るという指摘も存在します。石けん成分が水道水と反応して石鹸カスを生成し、それがカビの栄養源となるメカニズムは、他の石けん系洗剤と同じです。
実際に、インターネット上の口コミやSNS、さらには一部の洗濯機掃除の専門家からは、「さらさは洗剤カスが洗濯槽に残りやすく、カビの原因になりやすい」といった意見が寄せられている情報も見受けられます。
もちろん、これは「さらさ」だけに限った問題ではなく、石鹸成分を含む洗剤全般に共通する可能性のあるリスクです。使用量を守り、すすぎをしっかり行い、定期的に洗濯槽の掃除を行うことで、カビのリスクは大幅に軽減できると考えられます。
「赤ちゃんにも使える」というイメージから「さらさ」を選ぶ方は多いですが、洗濯槽の衛生管理には、合成洗剤のみを使用している場合よりも少し注意を払う必要があるかもしれません。
無添加洗剤のデメリットを踏まえた選び方
- 買ってはいけない洗濯洗剤の特徴
- 皮膚科医もすすめる体にいい洗濯洗剤
- おすすめの無添加洗剤
- 無添加洗剤のおすすめランキング
- 無添加洗剤 デメリットの総括
買ってはいけない洗濯洗剤の特徴
肌トラブルや健康への影響を避けるためには、特定の成分が含まれている洗剤を選ぶ際には注意が必要です。一般的に「買ってはいけない」とされる洗濯洗剤には、いくつかの共通した特徴があります。
最も注意すべきは、肌への刺激が強いとされる成分を含んでいる製品です。これらは洗浄力が非常に高い反面、肌のバリア機能を損なう可能性があります。
注意すべき成分・表示の例
- 石油系合成界面活性剤: LAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)やAE(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)など。(参照:国立医薬品食品衛生研究所 安全性評価資料)これらは安価で洗浄力が高いですが、刺激性が懸念されることがあります。
- 蛍光増白剤: 衣類を白く見せるための染料の一種です。肌に直接触れることで刺激になる可能性があります。
- 合成香料・着色料・防腐剤: これらもアレルギーや肌荒れの原因となることがあります。
- 「混ぜるな危険」表示: これは成分自体の問題ではありませんが、取り扱いに重大な注意が必要です。塩素系製品(漂白剤など)と酸性タイプの製品を混ぜると、有毒な塩素ガスが発生し、命に関わる危険があります。
全ての合成洗剤が悪いわけではありませんが、成分表示をよく確認し、自分の肌質や家族構成に合ったものを選ぶ意識が大切です。
皮膚科医もすすめる体にいい洗濯洗剤

肌がデリケートな方やアトピー性皮膚炎の傾向がある場合、洗濯洗剤選びは非常に重要です。皮膚科医が推奨するような、いわゆる「体にいい洗濯洗剤」には、共通する特徴があります。
大前提として、できるだけ成分がシンプルで、肌への刺激となる可能性のある物質を含まない製品が選ばれる傾向にあります。
具体的には、「合成香料、着色料、漂白剤、蛍光増白剤」といった添加物が含まれていない、無添加処方や低刺激処方の製品です。洗浄成分も、石油系の合成界面活性剤ではなく、植物由来の界面活性剤や純石けん分を使用したものが好まれます。
肌に優しい洗剤選びのチェックリスト
- 合成香料・着色料・蛍光増白剤が無添加か
- 洗浄成分は植物由来か、純石けん分か
- 「パッチテスト済み」や「皮膚科医監修」の表記があるか
- 日本アトピー協会推薦品などのマークがあるか(一つの目安として)
ただし、「無添加」や「植物由来」と書かれていても、すべての人に安全とは限りません。人によっては天然の植物成分(例:ラベンダー精油など)がアレルギーの原因になることもあります。最終的には、自分の肌で試してみることが必要です。
おすすめの無添加洗剤
ここでは、肌へのやさしさを重視する方から支持されている、代表的な無添加洗剤のブランドをいくつか紹介します。
シャボン玉スノール
純石けん成分(脂肪酸カリウム・脂肪酸ナトリウム)のみで作られた、無添加石けんの代表的な製品です。香料、蛍光増白剤、防腐剤などを一切使用していない徹底ぶりが特徴です。日本アトピー協会推薦品となっている情報もあります。洗浄力はありますが、石鹸カスは残りやすいため、洗濯槽の管理は必要です。
アラウ.(サラヤ)
合成界面活性剤、漂白剤、蛍光剤、合成香料、着色料、保存料が無添加の洗濯用せっけんです。洗浄成分は植物性の石けんで、ラベンダーやスペアミントの天然精油が配合されており、ほのかな香りを楽しみたい方にも選ばれています。
ミヨシ 無添加お肌のための洗濯用液体せっけん
香料・着色料・防腐剤などが無添加の液体石けんです。こちらも洗浄成分は純石けん分のみです。大容量サイズも販売されており、コストパフォーマンスを重視する方にも人気があります。
これらの製品は、いずれも「石けん系」の洗剤です。そのため、洗浄力や肌への優しさというメリットがある反面、「石鹸カスが出やすい」「ドラム式では使いにくい場合がある」といった、石けん特有のデメリットも共通して持っている点に注意しましょう。
無添加洗剤のおすすめランキング

無添加洗剤には様々な種類があり、どれが一番良いかという明確なランキング付けは困難です。なぜなら、求めるもの(肌への優しさ、洗浄力、香り、コスト)によって最適な製品が異なるからです。
ここでは、ランキングの代わりに、主要な無添加系洗剤のタイプを比較表にまとめます。ご自身の優先順位に合わせて選ぶ参考にしてください。
| 製品名(例) | 主成分 | 合成界面活性剤 | 香料 | 特徴・注意点 |
|---|---|---|---|---|
| シャボン玉スノール | 純石けん | 不使用 | なし | 徹底した無添加を求める方向け。石鹸カスに注意。 |
| アラウ. | 植物性石けん | 不使用 | 天然精油 | 合成香料は避けたいが、自然な香りが欲しい方向け。 |
| ミヨシ 無添加 | 純石けん | 不使用 | なし | シンプルでコストバランスも良い石けん洗剤。 |
| さらさ | 合成+植物由来 | 使用 | あり | 「一部無添加」の合成洗剤。洗浄力も欲しい方向け。 |
この比較からも分かるように、「無添加」と一口に言っても、「さらさ」のように合成界面活性剤を使用している製品もあれば、シャボン玉石けんのように純石けん分100%の製品もあります。
肌トラブルを最優先で避けたい方、特に赤ちゃんや敏感肌の方は、成分表示をよく確認し、「純石けん」や「合成界面活性剤不使用」と明記された製品から試してみるのが良いかもしれません。
無添加洗剤 デメリットの総括
この記事で解説してきた、無添加洗剤のデメリットと選び方のポイントを最後にまとめます。
- 無添加洗剤は洗浄力がマイルドな場合がある
- 合成洗剤に比べ皮脂汚れや油汚れが落ちにくい
- 石鹸カスが残りやすく洗濯槽カビの原因になる
- 合成香料不使用のため香りが少ない製品が多い
- 防腐剤不使用で保存期間が短い場合がある
- 製造コストが高く価格が割高な傾向
- ドラム式洗濯機では使用に注意が必要な製品も
- 無添加石鹸は泡立ちが悪いことがある
- 洗浄力が高く肌の乾燥を招く無添加石鹸もある
- 「さらさ」の無添加は蛍光剤・漂白剤・着色料のみ
- 「さらさ」は合成界面活性剤や香料を含む
- 「さらさ」は石鹸カスが原因でカビやすいとの指摘がある
- 買ってはいけない洗剤は刺激の強い成分を含むもの
- 皮膚科医は低刺激・無添加処方を推奨する傾向
- 選ぶ際は成分表示を必ず確認する

