お気に入りのフリースが、いつの間にかゴワゴワになっていませんか?
実はシリコン入りヘアスプレーが代用品として注目されていますが、100均で手に入るのか、シリコン入りヘアスプレー 100均の実際のところも気になりますよね。
この記事ではスプレーを使ったフリースを綺麗にする方法について、いざ使おうとしたらスプレーが詰まった、という時のために、出なくなったスプレーを復活させる方法を紹介。
また、スプレー以外のケアとして、柔軟剤やブラシを使ったお手入れ、特にボアを復活させる柔軟剤の効果的な使い方にも触れていきます。最終手段としてのクリーニング、ボア復活クリーニングのメリット・デメリットまで、総合的にお伝えします。
- フリース復活スプレーの代用品となるアイテム
- 100均グッズを使ったフリースの具体的なケア方法
- スプレー以外の復活術(洗濯・ブラッシング)
- 自宅ケアが難しい場合のクリーニング料金の目安
フリース復活スプレーの選び方と使い方
- そもそもシリコン入りヘアスプレーとは?
- シリコン入りヘアスプレーは100均でも買える?
- 出なくなったスプレーを復活させる方法
- スプレー以外のフリースを綺麗にする方法
そもそもシリコン入りヘアスプレーとは?

フリース復活の代用品としてSNSなどで話題になるのが「シリコン入りヘアスプレー」です。これは本来、人間の髪の毛やウィッグ(かつら)のケアに使用される製品を指します。
なぜヘアスプレーがフリースに効果があるとされるのでしょうか。その理由は、スプレーに含まれるシリコン成分にあります。
シリコンの役割とは?
シリコン(シリコーン)は、繊維の表面を滑らかにコーティングする性質を持っています。これにより、髪の毛やウィッグの摩擦を減らし、指通りを良くしたり、ツヤを出したりする効果が期待できます。(参照:日本シリコーン工業会公式サイト)
フリースやボア素材がゴワゴワになる主な原因は、着用や洗濯による摩擦で繊維が絡み合ってしまうことです。(参照:ユニクロ 公式サイト「フリース素材のお手入れ方法」)
ここにシリコンスプレーを使用すると、シリコンが繊維一本一本をコーティングし、絡まりをほぐしやすくすると考えられています。
ただし、ここで言う「シリコン入りヘアスプレー」とは、髪型を固めるためのハードスプレーではなく、主にウィッグ用スプレーや、髪のツヤ出し・コーティングを目的とした高分子シリコンスプレーなどを指す場合が多いです。
これらのスプレーは衣類用に開発されたものではありません。そのため、使用する際は以下の点に注意が必要です。
・シミになる可能性がある
・変色を引き起こすリスクがある
・多量に使用するとベタつく
・必ず目立たない場所で試してから使用する
自己責任での使用が前提となる方法です。
シリコン入りヘアスプレーは100均でも買える?
フリースケアの代用品としてシリコンスプレーを試してみたい場合、100均ショップで探す方も多いようです。実際に、ダイソーなどの大手100円ショップでは、関連する商品が販売されていることがあります。
ウィッグケア用品として
一つは、ウィッグ(かつら)ケア用品のコーナーです。店舗によっては、ウィッグの絡まりを防ぎ、ツヤを出すための専用スプレー(ウィッグオイルやウィッグスプレー)が取り扱われている場合があります。これらにはシリコン成分が含まれていることが多いです。
潤滑剤としてのシリコンスプレー
もう一つは、工具やDIY用品のコーナーにある「シリコンスプレー」です。これは本来、敷居の滑りを良くしたり、ファスナーの動きをスムーズにしたりするための潤滑剤です。(参照:KURE(呉工業)公式サイト「シリコンスプレー製品情報」)
一部で、この潤滑用シリコンスプレーをウィッグや衣類のケアに代用するケースが見られますが、これは非常にリスクが高いと言わざるを得ません。
潤滑剤(工具用)のシリコンスプレーは、衣類への使用を一切想定していません。石油系溶剤などが含まれている場合があり、シミや変色、素材を著しく傷める原因となる可能性があります。
フリース復活のために100均で探す場合は、必ず「ウィッグ用」など、人体や繊維に使用することが前提とされている製品を選ぶようにしてください。
ただし、店舗によって品揃えは大きく異なるため、必ずしもウィッグ用スプレーが置いているとは限りません。
出なくなったスプレーを復活させる方法

いざスプレーを使おうとしたら、噴射口が詰まって中身が出ないことがあります。これは、スプレー液の成分(樹脂など)が空気に触れて固まってしまうために起こります。
多くの場合、ノズル(噴射ボタン)部分をお湯で温めることで解決が可能です。
スプレーの詰まり解消手順
- スプレー缶からノズル(噴射ボタン)を取り外します。
- マグカップや洗面器などに、40℃〜50℃程度のお湯を準備します。(熱湯はノズルの変形を招く恐れがあるため避けてください)
- 外したノズルをお湯に数分間浸け、詰まった固形物を溶かします。
- ノズルをお湯から取り出し、綿棒やティッシュなどで噴射口付近の水気と溶けた固形物を慎重に拭き取ります。
- ノズルをスプレー缶にしっかりと取り付け直し、噴射できるか試します。
もし、これでも改善しない場合は、ガスが抜けてしまったか、製品自体の不具合の可能性が考えられます。
安全のための注意点
- スプレー缶本体を直接お湯で温めることは、破裂の危険があるため絶対にしないでください。
- 詰まりを解消しようとして、噴射口に針やピンなどを無理に突き刺さないでください。ノズルが破損する原因となります。
スプレー以外のフリースを綺麗にする方法
フリースを綺麗に、そしてふわふわに保つ方法は、スプレーだけではありません。むしろ、日々の「洗濯」と「仕上げ」こそが最も重要です。
ゴワゴワになる主な原因は、摩擦による毛の絡まりと、皮脂汚れの蓄積です。これらを適切にケアすることで、フリースの寿命を延ばすことができます。
洗濯方法のポイント
フリースを洗濯する際は、他の衣類との摩擦を極力減らすことが重要です。
- 洗濯ネットに入れる:フリースを裏返しにして畳み、目の細かい洗濯ネットに入れます。
- 洗剤を選ぶ:おしゃれ着洗い用の中性洗剤を使用します。漂白剤は繊維を傷める可能性があるため避けましょう。
- 水流を選ぶ:「手洗いコース」や「ドライコース」など、弱水流のコースを選んでください。
- 柔軟剤を使用する:後述しますが、柔軟剤は静電気を防ぎ、繊維をふっくら仕上げるのに効果的です。
干し方と仕上げ
脱水が完了したら、すぐに取り出すことが大切です。長時間放置するとシワや型崩れの原因になります。
- 形を整えて陰干し:風通しの良い場所で陰干しします。直射日光は色褪せの原因になるため避けてください。
- ブラッシング:完全に乾いた後、衣類用ブラシで毛並みを整えると、ふわふわ感が戻りやすくなります。
スプレーケアは「応急処置」や「プラスアルファの仕上げ」と考え、基本は正しい洗濯を心がけることが、フリースを綺麗に保つ一番の近道です。
フリース復活スプレーに頼らない!自宅ケアと復活術
- 柔軟剤を使った洗濯のコツ
- ボアを復活させる柔軟剤の使用方法
- 併用したいブラシの使い方
- 100均のブラシで試す
- 自宅ケアが無理ならクリーニング
- ボアを復活させる場合のクリーニング料金
- フリース復活スプレーでふわふわに戻す方法
柔軟剤を使った洗濯のコツ

フリースの洗濯において、柔軟剤は非常に重要な役割を果たします。ゴワつきの大きな原因である静電気と摩擦を、同時にケアできるためです。
柔軟剤は、繊維の表面を陽イオン(カチオン)系の界面活性剤でコーティングします。これにより、繊維同士の滑りが良くなり、摩擦が軽減されます。結果として、毛が絡まりにくくなり、ふっくらとした仕上がりになるのです。
また、このコーティングは静電気の発生を防ぐ効果も高く、ホコリや花粉が吸着するのを抑えるメリットもあります。
柔軟剤を使う際のコツ
- 適量を守る:最も重要なポイントです。多く入れすぎると繊維がコーティングされ過ぎてしまい、逆に吸水性が落ちたり、ベタつきの原因になったりします。
- 投入のタイミング:洗濯機の「柔軟剤投入口」に事前に入れておき、最後のすすぎの際に自動で投入されるようにしてください。洗剤と同時に投入すると、互いの効果を打ち消し合ってしまいます。
- 香り:フリースは比較的匂いが残りやすい素材でもあります。好みの香りの柔軟剤を選ぶことで、着心地もアップします。
おしゃれ着洗い用洗剤を使用し、仕上げに規定量の柔軟剤を使う。これが自宅でできる基本的なフリースの風合い維持のコツです。
ボアを復活させる柔軟剤の使用方法
前述の通り、柔軟剤はフリースやボア素材のケアに有効です。特に毛足が長く、繊維が寝て固まってしまいがちなボア素材を復活させたい場合、柔軟剤の「つけ置き」を試す価値があります。
通常の洗濯コースでは、最後のすすぎで柔軟剤に浸る時間は数分程度です。しかし、すでにゴワゴワになってしまったボアには、もう少し時間をかけて繊維をほぐすアプローチが有効です。
ボア復活のための柔軟剤つけ置き手順
- まずは通常通り、おしゃれ着洗い用洗剤で洗濯を行います(手洗いまたは洗濯機の手洗いコース)。
- すすぎが完了した後、洗濯槽やたらいに**ぬるま湯(30℃程度)**を張ります。
- 規定量の柔軟剤をぬるま湯にしっかりと溶かします。
- 洗濯したボアの衣類を浸し、約10分〜15分程度つけ置きします。
- つけ置き後、水ですすがずに軽く脱水します(洗濯機で1分程度)。
つけ置きの注意点
- 長時間のつけ置きは厳禁です。必要以上に長く浸けると、雑菌が繁殖し、逆に臭いの原因となることがあります。
- 水温:熱すぎるお湯は、繊維を傷めたり縮ませたりする可能性があるため、必ずぬるま湯を使用してください。
このひと手間を加えることで、柔軟剤の成分が繊維の奥まで浸透しやすくなり、乾いた後のふっくら感が改善されることが期待できます。
併用したいブラシの使い方

柔軟剤やスプレーで繊維を滑りやすくした後、最後の仕上げとして「ブラッシング」は不可欠です。
洗濯や着用によって寝てしまったり、絡まって束になったりした繊維(毛)を物理的にほぐし、毛並みを起こしてあげることで、あの「ふわふわ感」が蘇ります。
ブラッシングの基本
ブラッシングは、必ずフリースやボアが完全に乾いた状態で行ってください。濡れている状態でブラッシングすると、繊維を無理に引っ張り、逆に傷めてしまう原因になります。
使用するブラシは、一般的な衣類用ブラシ(豚毛や馬毛など)でも構いません。毛の流れに逆らうように優しくブラッシングして毛を起こした後、最後に毛並みに沿って整えると綺麗に仕上がります。
着用後のブラッシングも効果的
洗濯後だけでなく、フリースを着用した後、脱いだタイミングで軽くブラッシングするのもおすすめです。ホコリや小さなゴミを落とし、毛の絡まりをその日のうちにリセットすることで、ゴワゴワになるのを予防できます。
100均のブラシで試す
フリースの毛並みを復活させるアイテムとして、SNSなどで定番となっているのが、100均(ダイソーなど)で手に入るペット用ブラシです。
特に「スリッカーブラシ」と呼ばれる、くの字に曲がった細い金属ピンがびっしりと並んだタイプのブラシが効果的とされています。
なぜペット用ブラシなのか?
スリッカーブラシは、もともと犬や猫の抜け毛や毛玉を取り除くために設計されています。そのため、固まってしまったフリースの繊維を「とかす(ほぐす)」作業に非常に適しているのです。
一般的な衣類用ブラシが「毛並みを整える」のが得意なのに対し、スリッカーブラシは「絡まりを解きほぐす」のが得意と言えます。
100均ブラシでの復活手順
1. ダイソーなどで「犬用ぬけ毛取りブラシ」や「スリッカーブラシ」といった名称の商品を探します。
2. 完全に乾いたフリースの、特にゴワゴワがひどい部分(袖口、肘、ポケット周りなど)に、優しくブラシを当てます。
3. 力を入れすぎず、小刻みに動かしながら、少しずつ固まった繊維をほぐしていきます。
4. ある程度ほぐれたら、毛並みに沿って全体を整えます。
スリッカーブラシは金属製で先端が鋭いため、力を入れてガシガシこすると繊維がちぎれてしまい、生地が痩せる(薄くなる)原因になります。あくまで「優しくほぐす」ことを意識してください。また、目立たない場所で試してから行うことをおすすめします。
自宅ケアが無理ならクリーニング

自宅で洗濯やブラッシングを試してもゴワゴワが改善しない場合や、そもそも自宅での洗濯が不安な場合は、クリーニング店に依頼するのが最も確実な方法です。
特に、パタゴニアのレトロXジャケットのような高価なボアジャケットや、洗濯表示が複雑な衣類は、無理に自宅でケアしようとすると、縮みや型崩れなど、取り返しのつかない失敗につながる可能性があります。
なぜクリーニングが良いのでしょうか? プロは素材に合わせた洗浄方法を知っているからです。
家庭での洗濯は「水洗い」が基本ですが、クリーニング店では「ドライクリーニング」と「水洗い(ウェットクリーニング)」を使い分けます。皮脂汚れはドライクリーニングの方が落ちやすく、水溶性の汚れはウェットクリーニングが適しています。(参照:全国クリーニング生活衛生同業組合連合会)
さらに、洗浄後の乾燥技術が家庭とは大きく異なります。業務用の大型タンブラー(乾燥機)を使い、温風と回転で繊維をほぐしながら乾かすことで、家庭の自然乾燥では難しい「毛を起こす」仕上げが可能になります。
ボアを復活させる場合のクリーニング料金
ボアやフリースの衣類をクリーニングに出す際の料金は、その衣類の形状(ジャケット、ベスト、プルオーバーなど)や、利用するクリーニング店の形態によって変動します。
料金の目安
一般的な目安として、「ジャケット」や「ブルゾン」区分の料金が適用されることが多いようです。
| クリーニング形態 | 料金目安(フリースジャケット1点あたり) | 特徴 |
|---|---|---|
| 店舗型(チェーン店) | 約700円 ~ 2,000円 | 地域や店舗により価格差が大きい。即日〜数日で仕上がる。 |
| 店舗型(個人店) | 約1,500円 ~ 3,000円 | 技術力が高く、丁寧な仕上げが期待できる場合が多い。料金は高め。 |
| 宅配クリーニング | パック料金(例:5点で10,000円など) | 1点あたりの単価はパック内容による。自宅で完結するが日数がかかる。 |
補足:宅配クリーニングのパック料金
宅配クリーニングは「5点パック」「10点パック」など、点数定額制を採用していることが多いです。この場合、フリースジャケット1点もコート1点も「1点」としてカウントされます。そのため、コートなど単価の高い衣類と一緒に出すと割安になりますが、フリースだけを出すと割高に感じるかもしれません。
オプション料金に注意
ゴワゴワの復活や風合いの改善を特に重視する場合、「ふわふわ仕上げ」「風合い加工」といった有料オプションを勧められることがあります。また、アウトドアブランドのフリースの場合、撥水加工などもオプションとなります。これらを追加すると、基本料金に数百円〜千円程度が加算されます。
フリース復活スプレーでふわふわに戻す方法
この記事で解説したケア方法の要点を、最後にリストでまとめます。
- フリース復活スプレーはウィッグ用シリコンスプレーが代用される
- 100均ではウィッグ用か工具用が見つかるが工具用は非推奨
- スプレーの詰まりはノズルを40度から50度程度のお湯で温める
- 安全のためスプレー缶本体の加熱は厳禁
- フリースを綺麗にする基本は洗濯とブラッシング
- 洗濯はおしゃれ着洗剤と目の細かい洗濯ネットを使用する
- 柔軟剤は静電気を防ぎふっくら仕上げるのに役立つ
- 毛足の長いボアは柔軟剤でのつけ置きも有効な場合がある
- ブラッシングは必ず衣類が完全に乾いた状態で行う
- ゴワゴワほぐしには100均のペット用スリッカーブラシが有効
- スリッカーブラシは繊維を傷めないよう力を入れすぎない
- 自宅ケアが困難な高価なフリースはクリーニングが確実
- ボアのクリーニング料金はジャケット扱いで700円から3000円が目安
- フリース復活スプレーは洗濯とブラッシング後の「仕上げ」に使う
- スプレーのかけすぎはベタつきの原因になるため薄く均一に噴霧する


