キッチンハイターと中性洗剤の風呂掃除という方法が注目されていますが、実際に試してよいのか迷っていませんか。
キッチンハイターは風呂洗剤として使えるのか、漂白剤と中性洗剤を混ぜてもいいのか、特にキュキュットのような食器用洗剤と混ぜる際の注意点など、疑問は尽きません。
安全なカビ取りのためには、正しい自作洗剤の作り方、適切な分量や割合、そして具体的な掃除の手順を知ることが不可欠です。
この記事ではなぜ洗剤を混ぜるのか、効果的に泡立てる方法から、万が一の危険性まで、詳しく解説します。
- 安全な洗剤の組み合わせと危険な組み合わせ
- キッチンハイターと中性洗剤を使った掃除の具体的な手順
- 効果を高める分量や割合の目安
- 掃除を行う際の絶対的な注意事項
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キッチンハイターと中性洗剤の風呂掃除|基本知識
- キッチンハイターは風呂洗剤として使える?
- 漂白剤と中性洗剤を混ぜてもいい?
- なぜ食器用洗剤と混ぜるのか?
- 食器洗剤と混ぜる際の注意点
- キュキュットなど弱酸性洗剤との混合は危険
キッチンハイターは風呂洗剤として使える?

結論から言うと、キッチンハイターは風呂掃除に使用することが可能です。
キッチンハイターの主成分は次亜塩素酸ナトリウムです。これは、お風呂用のカビ取り剤(カビキラーなど)の主成分と同じ塩素系漂白剤であり、強力な殺菌・漂白効果を持ちます。(参照:花王公式サイト)
そのため、お風呂場で発生する黒カビやピンクヌメリ、排水口のヌメリ除去に高い効果を発揮します。
また、キッチンハイターには洗浄成分である界面活性剤も含まれています。これにより、漂白と同時にある程度の汚れを落とす助けにもなります。本来は台所用ですが、お風呂の水回りのしつこい汚れに対しても有効な選択肢となります。
キッチンハイターとお風呂用カビ取り剤の違い
主な違いは「濃度」や「泡立ち」です。お風呂用カビ取り剤は、壁面に密着しやすいよう泡状で噴射され、液だれしにくい工夫がされています。一方、液体タイプのキッチンハイターはそのままでは泡立たず、壁などに使用すると流れ落ちやすい性質があります。
漂白剤と中性洗剤を混ぜてもいい?
漂白剤(キッチンハイター)と中性洗剤(食器用洗剤など)を混ぜることについて、メーカーは推奨していません。
メーカーは単独使用を推奨
花王株式会社などの洗剤メーカーは、製品本来の効果を発揮し、安全に使用するために、洗剤を他の製品と混ぜずに単独で使用することを推奨しています。(参照:花王株式会社 製品Q&A)
異なる洗剤を混ぜて使用する場合は、すべて自己責任の範囲で行う必要があります。
ただし、化学的な観点では、塩素系漂白剤(アルカリ性)と「中性」の洗剤を混ぜても、有毒な塩素ガスが発生する危険性は低いとされています。
一方で、絶対に混ぜてはいけないのは「酸性」の洗剤です。
なぜ食器用洗剤と混ぜるのか?

では、なぜ推奨されていないにもかかわらず、キッチンハイターと食器用洗剤を混ぜる方法が広まっているのでしょうか。
主な理由は2つあります。
- 泡立てるため(密着度の向上)
- 皮脂汚れへの洗浄力向上
前述の通り、液体タイプのキッチンハイターは泡立ちません。そのまま床や壁に使用しても、すぐに流れ落ちてしまい、カビや汚れに十分浸透する前に効果が薄れてしまいます。
そこで、泡立ちの良い中性の食器用洗剤を混ぜることで、洗浄液全体を泡立てます。モコモコの泡にすることで、壁や床の凹凸、ゴムパッキンなどに洗浄液がしっかりと密着し、カビやヌメリへの漂白効果を高めることができます。
さらに、食器用洗剤の主成分である界面活性剤は、油汚れ(皮脂汚れ)を分解するのが得意です。お風呂の床や壁には、カビだけでなく皮脂汚れや石鹸カスも付着しています。ハイターと混ぜることで、これらの汚れにも同時にアプローチできるというわけです。
食器洗剤と混ぜる際の注意点
キッチンハイターと中性洗剤を混ぜて使用する際は、安全のために以下の点を絶対に守ってください。
安全のための絶対条件
- 必ず換気を行う
最も重要です。窓を開け、換気扇を回し、空気の流れを確保してください。塩素の臭いがこもると気分が悪くなることがあります。 - ゴム手袋・保護メガネを着用する
ハイターはアルカリ性が強く、皮膚に触れるとヌルヌルして溶けてしまいます。必ずゴム手袋を着用し、目に入らないよう保護メガネも使用してください。 - 使用できる素材か確認する
金属製品(特にアルミ)、天然石(大理石など)、木製の素材には使用できません。変色や腐食の原因となります。浴槽の素材(FRPやホーローなど)も、長時間放置すると変色するリスクがあるため注意が必要です。(参照:独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)化学物質管理センター) - 放置しすぎない
汚れに塗布した後、5分から10分程度を目安にし、長時間放置しないでください。素材を傷めたり、変色させたりする可能性があります。 - お湯(熱湯)を使わない
洗剤を希釈したり、洗い流したりする際に熱湯を使うと、塩素成分が急激に分解し、刺激臭が強くなるため危険です。必ず水を使用してください。
キュキュットなど弱酸性洗剤との混合は危険

キッチンハイターと食器用洗剤を混ぜる際、最も注意すべき点は「混ぜる洗剤の液性」です。
食器用洗剤の「ジョイ」は中性や弱アルカリ性の製品が多いですが、「キュキュット」シリーズの中には注意が必要な製品があります。
超重要:「キュキュット クリア除菌」など、一部の食器用洗剤は「弱酸性」です。
塩素系漂白剤(キッチンハイター)は、「混ぜるな危険」の表示がある通り、酸性タイプの製品と混ざると有毒な塩素ガスが発生し、非常に危険です。(参照:東京都福祉保健局 化学物質安全情報)
これは弱酸性の製品であっても同様のリスクを伴います。
塩素ガスは少量でも目や喉の痛みを引き起こし、重篤な場合は呼吸困難に陥る可能性もあります。(参照:日本中毒情報センター)
混ぜる前の鉄則
必ず、使用する食器用洗剤の裏面にある「液性」の表示を確認してください。「中性」と書かれているもの以外は、絶対にキッチンハイターと混ぜないでください。「弱酸性」や「酸性」と書かれた製品(キュキュットの一部製品、クエン酸、お酢など)との混合は厳禁です。(参照:消費者庁 事故防止情報「家庭用品の混合による事故」)
キッチンハイターと中性洗剤で風呂掃除|実践方法
- 自作洗剤の作り方
- 効果的な分量と割合の目安
- 泡立てることで洗浄力アップ
- 場所別の具体的な掃除の手順
- しつこいカビ取りへの応用
- 安全なキッチンハイターと中性洗剤の風呂掃除
自作洗剤の作り方
ここでは、SNSや清掃専門家の情報で紹介されることの多い、基本的な自作洗剤(泡ハイター)の作り方を紹介します。前述の通り、メーカー非推奨のため、試す場合は自己責任となり、安全には最大限配慮してください。
準備するもの
- キッチンハイター(塩素系漂白剤)
- 中性の食器用洗剤(例:ジョイなど、必ず液性を確認)
- 水(熱湯は不可)
- 洗剤を作るためのバケツや洗面器
- かき混ぜる棒(使い捨てのもの)
- ゴム手袋、保護メガネ、マスク
作り方は非常に単純です。バケツなどの容器に、水、中性洗剤、キッチンハイターを入れ、よくかき混ぜて泡立てるだけです。
スプレーボトルへの詰め替えは禁止
この自作洗剤をスプレーボトルに詰め替えて使用しないでください。キッチンハイターのメーカーである花王は、塩素系漂白剤をスプレー容器に移し替えると、ガスが発生して容器が破損したり、霧状の液剤を吸い込む危険があるとして禁止しています。(参照:花王株式会社 製品Q&A)
効果的な分量と割合の目安

自作洗剤の分量や割合に厳密な決まりはありませんが、一般的に紹介されている目安は以下の通りです。
| 材料 | 分量・割合 | 備考 |
|---|---|---|
| 水 | 250ml | 必ず常温の水を使用 |
| 中性食器用洗剤(ジョイなど) | 10g(約小さじ2杯) | 泡立てるのが目的 |
| キッチンハイター | 10ml(キャップ約0.4杯) | 汚れに応じて調整可 |
この割合はあくまで一例です。ハイターの量が多すぎると素材を傷めるリスクが高まり、少なすぎるとカビ取り効果が弱くなります。まずは少量から試してみることをお勧めします。
泡立てることで洗浄力アップ
前述の通り、この掃除方法のキモは「泡」にあります。
バケツに材料を入れたら、ブラシや棒で水面を叩くようにして、しっかりと泡立ててください。洗剤がもこもこと泡立つことで、液体が床や壁の垂直面に留まりやすくなります。
泡が汚れに密着することで、キッチンハイターの塩素成分がじっくりとカビの根に浸透し、漂白効果を発揮します。同時に、食器用洗剤の界面活性剤が皮脂汚れを浮き上がらせるため、漂白と洗浄の相乗効果が期待できます。
場所別の具体的な掃除の手順

自作した泡ハイターを使った掃除の手順を場所別に解説します。必ず換気と保護具の着用を忘れないでください。
1. 床・壁
床や壁の黒ずみ、ピンクヌメリに効果的です。
- バケツで自作洗剤をよく泡立てます。
- スポンジやブラシに泡を取り、床や壁(特にカビが気になる部分)に塗布します。
- 泡が汚れに密着するように、優しく広げます。
- 5分~10分程度放置します。
- 放置後、ブラシで軽くこすり洗いをします。
- 最後に、洗剤成分が残らないよう、シャワーの水で徹底的に洗い流します。
2. 排水口
ヌメリや臭いが気になる排水口にも有効です。
- 排水口のフタやヘアキャッチャーを外し、髪の毛などのゴミを取り除きます。
- 自作洗剤の泡を、排水口内部やフタ、ヘアキャッチャーに塗布します。
- 5分~10分放置した後、使い古しの歯ブラシなどでこすります。
- 最後に水でしっかり洗い流します。
浴室のイスや洗面器などの小物類も、同じ泡ハイターでつけ置き洗い(5分程度)が可能です。ただし、素材の変色には注意してください。
しつこいカビ取りへの応用
ゴムパッキンなどに深く根を張ったしつこい黒カビには、泡ハイターが流れ落ちてしまい、効果が薄い場合があります。
このような場合は、キッチンハイターと片栗粉を混ぜる「カビ取りペースト」が有効です。この方法は中性洗剤を混ぜません。
カビ取りペーストの作り方
- 容器にキッチンハイターと片栗粉を「1:1」の割合で入れます。(例:ハイター大さじ1、片栗粉大さじ1)
- ペースト状になるまで素早く混ぜ合わせます。
- カビが発生しているゴムパッキンや目地に、ペーストを塗り付けます。
- 塗布した上からラップを被せて密着させ、乾燥を防ぎます。
- 15分~30分程度放置します。
- ラップを剥がし、ペーストを水で徹底的に洗い流します。(この際、お湯を使うと片栗粉が固まるため水を使います)
この方法はハイターがカビに密着し続けるため、非常に高いカビ取り効果が期待できます。
安全なキッチンハイターと中性洗剤の風呂掃除
キッチンハイターと中性洗剤を使った風呂掃除は、正しく行えば効果的な一方、誤ると危険を伴います。最後に、安全に行うための要点をリストでまとめます。
- キッチンハイターの風呂掃除への使用はメーカー非推奨である
- 試す場合はすべて自己責任で行う
- 最大の危険は「酸性洗剤」と混ぜることである
- 「弱酸性」の洗剤(キュキュットの一部製品など)も絶対に混ぜない
- 混ぜる食器用洗剤は必ず「中性」であることを確認する
- 掃除中は窓開けと換気扇稼働で「換気」を徹底する
- 「ゴム手袋」「保護メガネ」「マスク」を必ず着用する
- 洗剤は「水」で希釈し、熱湯は絶対に使わない
- 金属、天然石、木製の素材には使用しない
- 浴槽や床材の変色を防ぐため、放置時間(5~10分目安)を守る
- 自作洗剤をスプレーボトルに詰め替えない
- 壁のカビには中性洗剤で「泡立てる」方法が有効
- ゴムパッキンのカビには片栗粉と混ぜるペーストが有効
- 掃除後は洗剤成分が残らないよう水で徹底的にすすぐ
- 万が一、気分が悪くなったらすぐに作業を中断し、その場を離れる

