和室の風合いを保ちつつ清潔に保つには、正しい知識と道具選びが欠かせません。しかし何で拭くのが良いのか分からない方も多いと思います。
この記事では、ウタマロクリーナーやマイペットなど市販の洗剤の使い方、アルコールやクイックルワイパーの適否、重曹とクエン酸はどちらがいい?といった疑問について解説しています。
また時間がたった汚れやベタベタした汚れ、液体をこぼしたときの対処法などの掃除方法も紹介しています。
- 畳に適した洗剤や道具の選び方
- 畳掃除で避けるべき具体的な行為
- 重曹やウタマロなど各洗剤の特徴と使い方
- 畳の汚れやカビへの正しい対処法
畳拭き掃除 洗剤の選び方と使い方
- 畳掃除でやってはいけないこと
- 畳は何で拭くのが良い?
- 拭き掃除にアルコールは使える?
- ウタマロクリーナーの効果とは
- マイペットは畳に使えるのか?
- 洗剤の成分をチェックしよう
畳掃除でやってはいけないこと

畳掃除では、やってはいけないことを理解しておくことが大切です。誤った方法で掃除を行うと、畳の表面を傷めたり、内部にカビを発生させる原因になるからです。
例えば、畳に大量の水を使用してゴシゴシとこすってしまうと、畳の芯材まで水が染み込み、乾燥しにくくなります。その結果、湿気がこもり、カビやダニが発生しやすくなります。また硬いブラシやたわしなどの道具で強くこするのも避けるべきです。畳表が剥がれたり、繊維が乱れて見た目も悪くなります。
このように、畳掃除では適切な洗剤や拭き方を選び、優しく丁寧に扱うことが重要です。乾いた雑巾や固く絞った布を使用し、常に風通しを良くしておくことで、畳の寿命を延ばすことができます。
畳は何で拭くのが良い?
畳を拭く際に最適な道具は、やわらかくて水分を適度に含ませられる布です。特におすすめなのは、よく絞ったマイクロファイバークロスや綿素材の雑巾です。
これらの素材は、畳の繊維に優しく、表面のホコリや皮脂汚れをしっかりと絡め取ってくれます。水を多く含ませると畳にダメージを与える可能性があるため、必ず水分は少なめにし、力を入れずに拭くことがポイントです。
また、拭く方向にも注意が必要です。畳の目に沿って一方向に拭くことで、繊維を傷つけずにきれいに掃除することができます。頻繁な水拭きは避け、乾拭きと併用することで、畳の風合いを長持ちさせることができます。
拭き掃除にアルコールは使える?

拭き掃除にアルコールを使用するのは避けたほうが良いとされています。というのも、アルコールは畳表の素材であるい草の油分を奪ってしまい、乾燥によるひび割れや変色の原因になるからです。
特に消毒用の高濃度アルコールを頻繁に使用すると、畳の自然な艶が失われ、劣化が早まる恐れがあります。ただし、除菌や消臭を目的としてどうしても使用したい場合は、濃度を低くし、ごく少量を布に含ませてから拭くようにしましょう。その際も、目立たない箇所で試してから使用することが大切です。
このように、アルコールの取り扱いには注意が必要で、使用頻度や量を調整しながら、畳への負担を最小限に抑える工夫が求められます。
ウタマロクリーナーの効果とは
ウタマロクリーナーは、畳掃除においても使える中性洗剤のひとつです。その特長は、泡立ちが少なく、さまざまな素材に優しく使えるという点にあります。
畳に付着した皮脂や食品の油汚れを落としたいとき、ウタマロクリーナーを水で薄め、布に含ませて拭き取ると効果的です。ただし、直接スプレーするのではなく、必ず布に移してから使用してください。過剰な湿気は畳に悪影響を与えるため、使用後は乾拭きで仕上げることを忘れずに。
また、ウタマロクリーナーは無香料タイプもあり、畳特有の香りを損なわずに掃除できる点も評価されています。家庭用洗剤として幅広く活用できるので、常備しておくと便利です。

マイペットは畳に使えるのか?
マイペットは中性タイプの家庭用洗剤ですが、畳への使用には慎重さが必要です。というのも、製品によっては界面活性剤の濃度が高く、畳の表面に残留成分が蓄積される可能性があるためです。
畳に使用する場合は、まずマイペットを水でしっかり薄め、布に染み込ませた上で、固く絞って使用するようにしましょう。汚れを浮かせた後は、きれいな水で絞った布で再度拭き、成分が残らないように仕上げるのがポイントです。
また、香りの強いタイプのマイペットは畳と相性が悪いこともありますので、無香料または香りの弱い製品を選ぶのが無難です。掃除後は必ず換気を行い、畳がしっかり乾くまで歩かないように心がけましょう。

洗剤の成分をチェックしよう
畳掃除に使用する洗剤を選ぶ際は、成分の確認が欠かせません。特に重要なのは、「中性洗剤であること」「強い界面活性剤や漂白成分が含まれていないこと」です。
強アルカリ性や酸性の洗剤は、畳表の変色や変質の原因になるため避けたほうがよいでしょう。天然素材の畳は化学成分に敏感であるため、肌に優しい成分構成の洗剤が望ましいとされています。
成分表示に不安がある場合は、メーカーの公式サイトで詳細を確認したり、用途に「畳対応」と明記されている製品を選ぶのが安心です。特にペットや小さな子どもがいる家庭では、安全性を重視して製品を選ぶことが大切です。

畳拭き掃除 洗剤で失敗しないコツ
- ベタベタを掃除するにはどうする?
- 重曹とクエン酸はどちらがいい?
- 時間がたった汚れの落とし方
- こぼした汚れの正しい対処法
- クイックルワイパーでカビ対策
ベタベタを掃除するにはどうする?

畳のベタベタ汚れは、主に皮脂や食べこぼしが原因です。これを放置するとホコリが付着して黒ずみの原因となるため、早めに対処することが重要です。
ベタベタが気になる部分には、中性洗剤を水で薄めたものを布に含ませ、軽く拭き取る方法が有効です。その後、洗剤が残らないように水拭きし、最後に乾拭きをしてしっかり乾燥させましょう。風通しを良くすることで、ベタつきを抑える効果も期待できます。
また、食べ物や飲み物の成分によっては、ベタつきが再発することもあるため、定期的な点検とメンテナンスを習慣にすると清潔な状態を保ちやすくなります。
重曹とクエン酸はどちらがいい?
重曹とクエン酸はどちらも自然派洗剤として知られていますが、畳掃除に向いているのは重曹の方です。理由は、クエン酸が酸性であるため、い草との相性が悪く、変色のリスクがあるからです。
重曹は弱アルカリ性で、皮脂汚れや軽い油汚れに効果を発揮します。水に溶かして布に含ませて拭くことで、においの原因となる成分を中和し、除臭効果も期待できます。ただし、重曹も研磨作用があるため、直接振りかけたり強くこすったりするのは避けましょう。
一方で、クエン酸は水垢や尿石の除去に効果がありますが、畳には不向きな成分です。したがって、畳掃除には重曹を選ぶほうが安心です。

時間がたった汚れの落とし方

時間が経過した畳の汚れは、通常の拭き掃除だけでは落としきれない場合があります。そのようなときには、段階的に掃除を行うことが効果的です。
まずは乾いた布でホコリを取り除いた後、中性洗剤を薄めた液で丁寧に拭き取ります。それでも汚れが残る場合には、蒸しタオルを当てて汚れを浮かせてから拭く方法もおすすめです。
また、頑固なシミには重曹水を少量使い、拭いた後は十分に乾燥させましょう。乾燥が不十分だと、かえって汚れが広がる可能性があるため、掃除後の換気や日当たりも重要なポイントになります。

こぼした汚れの正しい対処法
畳に飲み物や液体をこぼした場合は、迅速な対応が必要です。なぜならば、畳は液体を吸収しやすく、放置するとシミや臭いの原因になるためです。
まずは乾いたタオルやキッチンペーパーで、こぼれた液体をできるだけ吸い取ります。その後、水で薄めた中性洗剤を布に含ませて拭き取り、さらにきれいな水拭きを行います。
最終的に乾拭きをしてから、扇風機や換気で畳をしっかり乾燥させることが重要です。濡れた状態で放置すると、内部に湿気が残り、カビの発生に繋がる恐れがあります。スピードと丁寧さが鍵になります。

クイックルワイパーでカビ対策
クイックルワイパーは手軽に掃除できる道具ですが、畳に使用する際には注意が必要です。特にカビ対策として用いる場合は、乾拭きタイプのシートを選ぶとよいでしょう。
湿ったシートや除菌用の薬剤が含まれているタイプは、畳に湿気を与えてしまい、逆にカビの原因となる可能性があります。カビを防ぐには、日常的にホコリを除去し、湿度管理を徹底することが基本です。
どうしても除菌をしたい場合は、専用の畳向け除菌スプレーを使用し、乾いた布で拭き取るようにしましょう。こうすることで、畳を痛めずに清潔な状態を保つことができます。

畳拭き掃除 洗剤を使う際のポイントを総括
以下はこの記事のまとめです。
- 畳は水分に弱いため、水拭きは固く絞った布で行う
- 畳の目に沿って優しく拭くのが基本
- 強い洗剤や酸性・アルカリ性洗剤は畳に適さない
- 中性洗剤を薄めて使うことで畳へのダメージを抑えられる
- 畳掃除にアルコールは基本的に避けたほうがよい
- ウタマロクリーナーは中性で使いやすいが布に含ませて使う
- マイペット使用時は成分を確認し十分に薄めることが必要
- 洗剤の成分表示は必ずチェックし、安全性を重視する
- 畳のベタつきには中性洗剤を使った拭き掃除が有効
- 重曹は除臭・皮脂汚れに使えるがこすらず使うのがコツ
- クエン酸は畳には不向きで使用を避けるべき
- 時間がたった汚れには蒸しタオルや段階的な掃除が有効
- 液体をこぼしたときはすぐに吸い取り乾燥させることが重要
- クイックルワイパー使用時は乾拭き用シートが望ましい
- 掃除後は換気を徹底し、湿気を残さないことがカビ予防につながる