ピジョンの哺乳びんスチーム除菌・乾燥器「POCHItto(ポチット)」は、ボタン一つで哺乳瓶の除菌から乾燥までこなしてくれる便利なアイテムです。
しかし、毎日使っているとヒーター部分に付着する白いカルキ汚れが気になりますよね。
この記事では、POCHIttoのクエン酸を使った正しいお手入れ方法について、クエン酸洗浄のやり方から詳しく解説します。また、ヒーター部が茶色くなる原因や、除菌後に乾かない、水が残るといったトラブルの対処法にも触れていきます。
クエン酸はどこに使用したらNGなのか、市販のクエン酸スプレーは使えるのか、フィルターの掃除は必要なのかといった細かい疑問にもお答えします。
この記事を読めば、故障を防ぎ、ポチットをいつでも清潔に保つための知識が身につきます。
- POCHIttoの正しいクエン酸洗浄の手順
- カルキや茶色い汚れなどトラブルの原因と解決策
- 洗浄時にやってはいけない注意点
- 故障を防ぎ、長く清潔に使うためのポイント
POCHIttoのクエン酸を使った基本洗浄
- POCHIttoの公式なお手入れ方法
- クエン酸洗浄のやり方の具体的な手順
- 哺乳瓶など消毒できるものの一覧
- クエン酸はどこに使用したらNG?
- 市販のクエン酸スプレーは有効か?
POCHIttoの公式なお手入れ方法

哺乳びんを清潔に保つために毎日活躍するPOCHIttoですが、その性能を維持するためには定期的にお手入れが必要です。特に、水道水に含まれるミネラル分が原因でヒーター部に付着する白いカルキ汚れは、放置すると除菌効果の低下につながる可能性があります。
このため、ピジョンの公式サイトでは、週に1回程度のクエン酸洗浄を推奨しています。もちろん、これはあくまで目安です。お住まいの地域の水質や1日の使用回数によって汚れの付き具合は変わるため、ヒーター部が白く目立ってきたらお手入れのサインと考えてよいでしょう。
POCHIttoの性能を最大限に引き出し、長く衛生的に使用するためには、週1回を目安とした定期的なクエン酸洗浄が非常に重要です。汚れが気になり始めたら、早めにお手入れを行いましょう。
日々のお手入れとしては、除菌・乾燥が完了して本体が冷めた後に、濡らしたティッシュや布でヒーター部に残った水分や汚れを軽く拭き取るだけでも、頑固な汚れの固着を防ぐのに役立ちます。
クエン酸洗浄のやり方の具体的な手順
それでは、具体的なクエン酸洗浄のやり方を解説します。手順はとても簡単で、慣れれば短時間で完了します。新品のような輝きを取り戻しましょう。
準備するもの
まず、洗浄に必要なものを揃えます。クエン酸は食品グレードのものを選ぶと、赤ちゃんの哺乳瓶を扱う上でもより安心です。
クエン酸(粉末) | 約10g(小さじ2杯程度) |
---|---|
水 | 約50ml〜60ml |
やわらかい布やティッシュ | 拭き上げ用 |
洗浄の手順
準備ができたら、以下の手順で洗浄を進めてください。作業中はクエン酸のにおいがすることがあるため、換気扇を回すなど換気しながら行うことをおすすめします。
1. クエン酸水を作る
まず、約50mlの水に約10gのクエン酸を入れ、粉末が完全に溶けるまでよくかき混ぜます。
2. ヒーター部に注ぎ、加熱する
溶かしたクエン酸水をPOCHIttoのヒーター部に注ぎ入れます。このとき、哺乳瓶などを入れる容器は本体から外しておきましょう。電源を入れて「除菌」ボタンを押し、沸騰させます。
クエン酸が溶け残っているとエラー音が鳴ることがあります。必ず完全に溶かしてからヒーター部に入れてください。
3. 沸騰後に放置する
クエン酸水が沸騰したら、電源ボタンを押して運転を停止します。その後、そのまま30分ほど放置し、汚れをじっくり浮かせます。

沸騰させてすぐに電源を切るのがポイントです!運転を続けたままだと水分が全て蒸発してしまい、かえって汚れがこびり付く原因になるので注意してくださいね。
4. 排水して拭き上げる
30分後、汚れが溶け出したクエン酸水を捨てます。このとき、本体内部にある通気口に水が入らないよう、排水の矢印方向(本体手前側)からゆっくりと捨ててください。最後に、きれいな水で軽くすすぎ、やわらかい布やティッシュで水分をきれいに拭き取れば完了です。ヒータープレートを傷つけないよう、優しく拭きましょう。
哺乳瓶など消毒できるものの一覧


POCHIttoは哺乳瓶の除菌・乾燥に特化した製品ですが、消毒できるものはそれだけではありません。基本的には、耐熱温度が100℃以上で、煮沸消毒が可能な製品であれば使用できます。
ピジョンの製品を例に挙げると、以下のようなアイテムの除菌・乾燥に活用できます。
- 哺乳びん(耐熱ガラス製、プラスチック製)
- さく乳器の部品(洗浄後に分解したもの)
- おしゃぶり
- マグマグやストローマグのパーツ
- 離乳食用の食具(スプーン、フォークなど)
- シリコーン製のスタイ
このように、哺乳瓶を卒業した後も、離乳食期から幼児期にかけて長く使えるのがPOCHIttoの大きな魅力です。ただし、製品によってはスチーム除菌に対応していないものもあるため、使用前には必ず各製品の取扱説明書で耐熱温度などを確認してください。
ステンレス製のこし網など、薬液消毒が難しいベビーグッズも除菌できるのがスチーム除菌のメリットの一つです。
クエン酸はどこに使用したらNG?
クエン酸はカルキ汚れに非常に有効な洗浄剤ですが、万能というわけではありません。使用する素材によっては、変質や劣化を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
特に、以下の素材への使用は避けるべきとされています。
・鉄などの錆びやすい金属
クエン酸は酸性のため、鉄製品に使用すると錆の発生を促進させてしまうことがあります。
・大理石(天然石)
大理石の主成分である炭酸カルシウムは酸に溶ける性質があります。クエン酸を使用すると、表面の光沢が失われ、シミのようになってしまう原因になります。
・コンクリートやセメント
大理石と同様に、酸によって表面が溶かされたり、劣化したりする可能性があります。
POCHIttoのヒーター部はステンレス製であり、クエン酸洗浄が公式に推奨されているため問題ありません。しかし、ご家庭の他の場所を掃除する際には、これらの素材にクエン酸が付着しないよう気を付けましょう。
市販のクエン酸スプレーは有効か?
お掃除用として市販されているクエン酸スプレーは手軽で便利ですが、POCHIttoのヒーター部の洗浄に使うのはあまりおすすめできません。
その理由は、POCHIttoのカルキ汚れを落とすためには、クエン酸水にヒーター部を浸し、沸騰させて汚れを浮かせるというプロセスが重要だからです。スプレーを吹きかけるだけでは、こびり付いた頑固なカルキ汚れを分解するのに十分な効果が得られない可能性があります。
また、スプレー製品にはクエン酸以外の成分が含まれている場合もあり、それらがヒーターに悪影響を与える可能性もゼロではありません。
POCHIttoのヒーター洗浄には、公式の手順通り、粉末のクエン酸を水に溶かして使用するのが最も確実で安全な方法です。市販のスプレーは、本体外側のプラスチック部分などを軽く拭き掃除する際に使う程度に留めておきましょう。
POCHIttoクエン酸洗浄のよくある悩み
- 白いカルキや茶色い汚れの原因
- 除菌や乾燥後に乾かない時の対処法
- ヒーター部に水が残るのはなぜ?
- 故障させないための注意点
- フィルターの掃除は必要?
白いカルキや茶色い汚れの原因


お手入れをしていても、使用するたびにヒーター部に汚れが付着することがあります。これらの汚れの正体と原因について解説します。
白いザラザラした汚れ(カルキ)
使用後に見られる最も一般的な汚れが、白い粉状またはザラザラした固着物です。これは「カルキ」とも呼ばれますが、正体は水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムといったミネラル分です。
POCHIttoは水を沸騰させて蒸気で除菌する仕組みのため、水分が蒸発した後にミネラル分だけがヒーター部に残ってしまいます。これは製品の異常ではなく、水道水を使用する以上、ある程度は避けられない現象です。ピジョンの公式サイトでも、これらのミネラル分は安全性や衛生上の問題はないと説明されています。(参照:ピジョンお客様サポート)
茶色い汚れ
時には、白い汚れだけでなく茶色っぽいシミや斑点が付着することもあります。これは、水道水に含まれるごく微量の金属イオン(鉄分など)が加熱によって反応したり、固着したカルキ汚れが焦げ付いたりしたものであると考えられます。
これも衛生上ただちに有害なものではありませんが、見た目も気になりますし、汚れが蓄積すると加熱効率の低下につながる可能性があります。白いカルキ汚れと同様に、定期的なクエン酸洗浄で落とすことが可能です。
除菌や乾燥後に乾かない時の対処法
「除菌・乾燥モードを使ったのに、哺乳瓶の内側に水滴が残っていて乾かない」という経験をした方もいるかもしれません。これは故障ではなく、いくつかの要因によって起こり得ます。
主な原因としては、以下のような点が考えられます。
- 哺乳瓶の置き方が悪く、蒸気や温風の通り道を妨げている
- 哺乳瓶の底のくぼみやフチの部分に水が溜まりやすい
- 一度にたくさんのものを詰め込みすぎている
もし乾燥が不十分に感じた場合は、慌てずに以下の追加操作を試してみてください。
乾燥が足りないと感じたら、POCHIttoの「軽乾燥(約10分)」または「乾燥(約45分)」モードを追加で運転してください。ほとんどの場合、これで残った水滴もしっかりと乾かすことができます。
哺乳瓶をセットする際は、ボトル類は逆さにし、小物類は引っかけ棒に吊るすなど、空気の通り道を意識して配置すると、より効率的に乾燥させることができます。
ヒーター部に水が残るのはなぜ?


除菌モードや除菌・乾燥モードが完了した後、ヒーター部に水が少量残っていることがあります。「毎回100mlの水を入れているのに、全て蒸発しないのはおかしいのでは?」と心配になるかもしれませんが、これも多くの場合、異常ではありません。
POCHIttoの除菌工程は約12分ですが、その日の室温や水温、気圧などの環境によって水の蒸発量は変化します。そのため、全ての水が蒸発しきらずに残る場合があるのです。
ピジョンの公式サイトでも、極端に短い時間で除菌が終わってしまう場合でなければ、水が残っていても除菌は十分にできていると説明されていますよ。
ただし、あまりにも多くの水が毎回残る場合や、以前よりも明らかに除菌時間が短くなったと感じる場合は、ヒーター部にミネラル成分が厚く蓄積し、加熱効率が落ちている可能性も考えられます。その際は、一度念入りにクエン酸洗浄を試してみてください。
故障させないための注意点
POCHIttoを安全に長く使い続けるために、日常的な使用やお手入れにおいて注意すべき点がいくつかあります。故障や思わぬ事故を防ぐためにも、以下のポイントを必ず守るようにしてください。
故障を防ぐための重要事項
- 通気口に水やクエン酸水を入れない:洗浄後の水を捨てる際は、本体手前側の排水方向にゆっくり傾け、通気口(奥側)に液体が入らないよう細心の注意を払ってください。内部の電子部品が濡れると故障の直接的な原因となります。
- ヒーター部には水以外を入れない:除菌の際は必ず水を入れ、洗浄時以外にクエン酸やその他の洗剤、消毒液などを絶対に入れないでください。
- 空焚きをしない:POCHIttoには空焚き防止機能が付いていますが、意図的に水を入れずに作動させることは避けてください。
- 硬いもので擦らない:ヒーター部の汚れを落とす際に、金属製のたわしや硬いブラシで擦ると表面のコーティングが剥がれ、劣化の原因になります。必ずやわらかい布などを使用してください。
これらの注意点を守り、取扱説明書に従った正しい使い方を心がけることが、製品を長持ちさせる一番の秘訣です。
フィルターの掃除は必要?
POCHIttoの本体背面には、乾燥機能の際に外部から取り込む空気をきれいにするための「ホコリ防止フィルター」が取り付けられています。
このフィルターにホコリが詰まると、乾燥時の風量が落ちて乾きが悪くなったり、本体内部にホコリが侵入してしまったりする原因になります。そのため、このフィルターも定期的にお手入れが必要です。
お手入れの頻度に明確な決まりはありませんが、月に1回程度、フィルターカバーを外して状態を確認する習慣をつけるとよいでしょう。ホコリが付着している場合は、掃除機で吸い取るか、やわらかいブラシで優しく払い落としてください。汚れがひどい場合は、水洗いも可能ですが、その際は完全に乾かしてから本体に戻すようにしてください。
取扱説明書によると、このフィルターは総使用時間が500時間に達すると交換が必要とされています。お手入れをしても乾燥能力の低下が感じられる場合は、交換を検討しましょう。
正しいPOCHIttoクエン酸洗浄のまとめ
最後に、この記事で解説したPOCHIttoのクエン酸洗浄に関する要点をまとめます。
- POCHIttoの性能維持には定期的はお手入れが不可欠
- 公式推奨のお手入れ頻度は週に1回程度が目安
- 汚れが目立ってきたら早めに洗浄するのがおすすめ
- 洗浄には食品グレードのクエン酸粉末が安心
- 洗浄手順はクエン酸水を沸騰させて30分放置するだけ
- 洗浄後は通気口に注意しながら排水し、しっかり拭き取る
- 白い汚れの正体は水道水のミネラル分で無害
- 茶色い汚れもクエン酸洗浄で落とすことが可能
- 乾燥が不十分な場合は乾燥モードを追加運転すればOK
- 除菌後に水が残るのは多くの場合で異常ではない
- 故障防止のため通気口に水を入れないことが最重要
- ヒーター部は硬いもので擦らない
- 背面のホコリ防止フィルターも定期的に掃除する
- POCHIttoは煮沸消毒可能な製品に幅広く使用できる
- 正しいお手入れで除菌効果を維持し、長く清潔に使える