お風呂の排水溝で水が溜まるタイプの構造にお困りではありませんか?
洗い場の流れが悪いと感じたり、不快な臭いが気になったりすると、つまりが原因ではないかと心配になりますよね。「これってどうしたらいいの?」と具体的な掃除の仕方がわからず、知恵袋で情報を探している方も多いかもしれません。
特に古いタイプの排水トラップだと構造が複雑に見え、外し方に戸惑うこともあります。また、パイプユニッシュを水が溜まっている状態で使っていいのか、どの洗剤を選べば効果的なのか、具体的な対処法は意外と知られていないものです。
この記事では、そんなお悩みを解決するために、排水口の仕組みから具体的な掃除方法、予防策を解説します。
- お風呂の排水口に水が溜まる仕組みと原因
- 汚れの種類に応じた効果的な掃除方法と洗剤の選び方
- 排水口の正しい分解手順(外し方)と注意点
- つまりや臭いを未然に防ぐための日常的なメンテナンス方法

お風呂の排水溝で水が溜まるタイプの原因と仕組み
- 排水トラップの構造を理解しよう
- つまりや流れが悪いの主な原因
- 特に古いタイプは注意が必要
- 気になる臭いはどこから発生する?
- 知恵袋でよく見られる質問と答え
排水トラップの構造を理解しよう

お風呂の排水口に常に水が溜まっているのを見て、「つまっているのでは?」と不安に思うかもしれませんが、これは「排水トラップ」という設備による正常な状態です。排水トラップは、下水管からの悪臭や害虫が室内に侵入してくるのを防ぐために、意図的に水を溜める役割を持っています。この溜まった水のことを「封水(ふうすい)」と呼びます。
言ってしまえば、この封水が「フタ」の代わりとなり、快適なバスルーム環境を守ってくれているのです。主に、お風呂で使われる排水トラップには3つの種類が存在します。
トラップの種類 | 構造の特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
ワントラップ | お椀型の部品(ワン)を被せたシンプルな構造。 | 部品の取り外しが簡単で、掃除がしやすい。 | 封水が蒸発しやすく、臭いが上がりやすいことがある。 |
ドラムトラップ | 円筒状(ドラム型)の部品で、多くの水を溜められる構造。 | 封水が蒸発しにくく、防臭・防虫効果が高い。 | 構造が複雑で、内部の掃除がしにくい。 |
管トラップ | 排水管自体がS字やU字に曲がっており、そのカーブ部分に水を溜める。 | 省スペースで設置できる。水を流すたびに内部が洗浄されやすい。 | 曲がった部分に汚れが蓄積しやすく、掃除が困難。 |
近年のユニットバスはドラムトラップが主流
最近のユニットバスでは、防臭効果が高く封水が切れにくいドラムトラップが主流となっています。ただし、構造が複雑なため、汚れが内部に溜まりやすいという点を覚えておく必要があります。
つまりや流れが悪いの主な原因
排水トラップが正常に機能していても、水の流れが悪い、あるいは水が溜まって引かない場合は、つまりが起きている可能性が高いです。その原因は、日常生活で流される様々な汚れが蓄積した結果です。
主な原因は、以下の3つが複合的に絡み合って発生します。
- 髪の毛
最も大きな原因となるのが髪の毛です。排水口のヘアキャッチャーをすり抜けた髪の毛が、排水トラップ内やその先の配管で絡まり、汚れを堰き止める網の役割を果たしてしまいます。 - 皮脂や垢
体を洗った際に出る皮脂や垢は酸性の汚れです。これらが蓄積すると、ぬめりやヘドロ状の汚れとなり、排水管の壁面に付着して水の通り道を狭くします。 - 石鹸カス
シャンプーやボディソープの成分が、水道水に含まれるミネラル分と結合してできるアルカリ性の汚れです。水に溶けにくく、髪の毛や皮脂と混ざり合うことで、頑固なつまりを引き起こします。
これらの汚れが、時間をかけて少しずつ蓄積し、ヘドロとなって排水の流れを妨げるのです。
固形物の落下にも注意
シャンプーの詰め替えパックの切れ端、カミソリのキャップ、ヘアピンといった固形物を誤って流してしまうと、深刻なつまりの原因となります。これらは自然に溶けることがないため、一度奥で引っかかると専門業者でなければ取り除けないケースが多いので、注意してください。
特に古いタイプは注意が必要

築年数が経過した住宅では、古いタイプの排水口が使われていることがあり、これがつまりや臭いの原因となりやすい場合があります。
例えば、ワントラップの場合、部品が鉄製で錆びてしまい、汚れが付着しやすくなっているケースが見られます。また、排水管自体の老朽化も無視できません。古い金属製の排水管は内部が錆びて凹凸ができ、汚れが引っかかりやすくなっています。さらに、経年劣化や地盤の変動によって排水管の勾配が緩やかになり、水がスムーズに流れにくくなっていることも考えられます。
「うちのお風呂も古いタイプかも…」と感じる方は、特に注意が必要です。排水トラップの有無や状態を一度確認してみることをお勧めします。まれに、排水トラップ自体が設置されていない構造の住宅もあり、その場合は下水の臭いが直接上がってきやすくなります。
気になる臭いはどこから発生する?
お風呂の排水口から漂う不快な臭いの原因は、主に2つ考えられます。
一つは、「封水切れ」です。排水トラップに溜まっているはずの水(封水)が、何らかの理由でなくなってしまうと、下水管と室内が直結してしまい、下水の臭いが逆流してきます。封水がなくなる主な原因には、長期間お風呂を使用しなかったことによる水の蒸発や、一度に大量の水を流した際に封水まで一緒に吸い出されてしまう「サイホン現象」などがあります。
もう一つの原因は、「汚れの腐敗」です。排水トラップや排水管の内部に蓄積した髪の毛、皮脂、石鹸カスなどが、雑菌のエサとなります。これを放置すると、雑菌が繁殖してぬめりやヘドロとなり、腐敗することでドブのような強烈な悪臭を放つのです。
臭いが気になる場合は、まずコップ1杯程度の水を排水口に流し、封水を補充してみてください。それでも改善しない場合は、排水口内部の汚れが原因である可能性が高いため、掃除が必要となります。
知恵袋でよく見られる質問と答え
インターネットのQ&Aサイト「Yahoo!知恵袋」などでは、お風呂の排水口に関する悩みが数多く投稿されています。ここでは、特によく見られる質問とその答えをまとめました。
お風呂の排水溝で水が溜まるタイプの正しい対処法
- 水がたまったらまずどうしたらいい?
- 基本的な掃除の仕方と手順
- 部品簡単な外し方と注意点
- 効果的な洗剤の選び方と使い方
- パイプユニッシュは水が溜まっている状態で有効?
- お風呂の排水溝で水が溜まるタイプの総まとめ
水がたまったらまずどうしたらいい?

お風呂の排水口に水が溜まり、流れが悪くなった時にまず試すべきことは、見える範囲のゴミを取り除くことです。軽度のつまりであれば、この初期対応だけで解消することが少なくありません。
手順はとても簡単です。
- 安全のためにゴム手袋を着用します。
- 排水口のフタ(カバー)や目皿を外します。
- その下にあるヘアキャッチャー(ゴミ受け)に溜まった髪の毛やゴミを、ティッシュなどを使って取り除き、ゴミ袋に捨てます。
この作業を行った後、一度シャワーで水を流してみて、流れが改善したかを確認してください。これだけでスムーズに水が流れるようであれば、問題は解決です。
取り除いた髪の毛やゴミを、そのまま排水口に流してしまうのは絶対にやめましょう。つまりをさらに悪化させる原因となります。
基本的な掃除の仕方と手順
ヘアキャッチャーのゴミを取り除いても流れが改善しない場合は、排水トラップの内部に汚れが蓄積しています。分解して基本的な掃除を行いましょう。
月に1回程度、この手順で掃除を行うことで、つまりや臭いの予防にも繋がります。
準備するもの
- ゴム手袋
- 使い古しの歯ブラシや専用ブラシ
- スポンジ
- 浴室用中性洗剤
掃除の手順
- 排水口のフタ、目皿、ヘアキャッチャーなど、取り外せる部品をすべて外します。(外し方は次項で解説)
- 外した各部品に浴室用中性洗剤をかけ、ブラシやスポンジでぬめりや汚れを丁寧にこすり落とします。
- 排水トラップ本体の、手が届く範囲をブラシでこすり洗いします。特に部品が接していた部分や水の溜まっている周辺は汚れが付きやすいポイントです。
- すべての洗浄が終わったら、シャワーの強い水流で洗剤と汚れをしっかりと洗い流します。
- 最後に、取り外した部品を元の順番通りに正しく取り付けます。
この基本的な掃除を習慣づけることが、排水口を清潔に保つ最も重要なポイントです。
部品の簡単な外し方と注意点
排水口の部品は、日常的なメンテナンスがしやすいように、比較的簡単に取り外せるように設計されています。ただし、構造はメーカーや型番によって異なるため、取扱説明書を確認するのが最も確実です。
一般的には、以下の手順で分解できます。
- フタ(カバー)・目皿:多くは単純に持ち上げるだけで外れます。一部、固定されているタイプは、反時計回りに少し回すとロックが外れて持ち上げられるようになります。
- ヘアキャッチャー:目皿の下にあり、こちらも基本的には持ち上げるだけで取り出せます。
- 排水トラップの部品(ワントラップの椀、ドラムトラップの封水筒など):つまみを持って、反時計回りに回すと外れるタイプが主流です。
部品の取り扱いに関する注意点
- 汚れや水垢で固着して外しにくい場合があります。無理に力を加えると破損の原因になるため、絶対にやめましょう。お湯をかけて汚れを緩めたり、ゆっくりと左右に揺すりながら回したりすると外れやすくなります。
- ゴムパッキンなどの小さな部品が付いていることがあります。洗浄中に排水口へ流してしまわないよう、十分注意してください。
- 分解する前にスマートフォンのカメラで元の状態を撮影しておくと、元に戻す際に順番を間違える心配がなくなり安心です。
効果的な洗剤の選び方と使い方

基本的な掃除で落ちない頑固な汚れや臭いには、汚れの性質に合わせた洗剤を使うと格段に効果が上がります。汚れの性質を理解し、適切な洗剤を選びましょう。
汚れの種類 | 性質 | 効果的な洗剤・成分 | 代表的な製品 |
---|---|---|---|
皮脂・垢 | 酸性 | アルカリ性(重曹など) | 重曹 |
石鹸カス | アルカリ性 | 酸性(クエン酸など) | クエン酸、お酢 |
髪の毛 | タンパク質 | アルカリ性(水酸化ナトリウムなど) | パイプユニッシュ |
カビ・ぬめり | – | 塩素系(次亜塩素酸塩) | カビキラー |
【重要】「混ぜるな危険」の徹底
酸性タイプの製品(クエン酸など)と塩素系の製品(パイプユニッシュ、カビキラーなど)が混ざると、人体に非常に有害な塩素ガスが発生し、大変危険です。絶対に同時に使用したり、連続して使用したりしないでください。もし両方使いたい場合は、一方を使用した後に大量の水で完全に洗い流し、時間を置いてからもう一方を使用するようにしてください。
パイプユニッシュは水が溜まっている状態で有効?
「パイプユニッシュ」などの液体パイプクリーナーは、つまり解消の強い味方ですが、その効果を最大限に引き出すには使い方が重要です。
結論から言うと、排水口に水が溜まっている状態での使用は、効果が半減してしまう可能性があります。なぜなら、溜まった水によって洗浄成分が薄められてしまい、つまりの根本原因である汚れに直接届きにくくなるからです。
パイプユニッシュを販売するジョンソン株式会社の公式サイトでも、効果的な使い方として、可能な限り水を排水してから使用することが推奨されています。(参照:パイプユニッシュ公式)
パイプユニッシュを効果的に使う手順
- 灯油ポンプや空のペットボトル、雑巾などを使って、排水口に溜まっている水をできるだけ取り除きます。
- 製品のボトルに記載されている規定量を、排水口に直接注ぎ入れます。
- 15分~30分程度放置します。汚れをしっかり分解させたいからといって、長時間放置しすぎると、溶かした汚れが再び固まってしまうことがあるため、放置時間は必ず守りましょう。
- 時間が経ったら、洗面器に汲んだ水を勢いよく流すか、シャワーの最大水量で、薬剤と溶けた汚れをしっかりと洗い流します。
お風呂の排水溝で水が溜まるタイプの総まとめ
最後にこの記事の要点をまとめます。以下のポイントを理解し、日々のメンテナンスに役立ててください。
- お風呂の排水口に水が溜まるのは排水トラップという正常な仕組み
- 水の役割は下水からの臭いや害虫の侵入を防ぐ「封水」
- 排水トラップにはワントラップ、ドラムトラップ、管トラップなどの種類がある
- つまりや流れが悪くなる主な原因は髪の毛、皮脂、石鹸カスの蓄積
- 古いタイプの排水口は構造や配管の劣化でつまりやすい傾向にある
- 不快な臭いの原因は「封水切れ」と「蓄積した汚れの腐敗」
- 流れが悪い時はまず見える範囲のゴミ(髪の毛など)を除去する
- 月1回程度の定期的な分解掃除がつまりや臭いを予防する鍵
- 部品は無理に外さず、外し方がわからない場合は取扱説明書を確認
- 汚れの性質(酸性・アルカリ性)に合わせた洗剤選びが効果的
- 酸性タイプと塩素系の洗剤を混ぜるのは非常に危険なので絶対に避ける
- パイプユニッシュは溜まった水をできるだけ取り除いてから使うと効果が高い
- パイプクリーナーの長時間の放置は逆効果になる可能性もあるため注意
- 自力で解決しない深刻なつまりや異音は専門業者に相談する
- 日々の簡単な掃除と定期的なメンテナンスで快適なバスルームを維持できる
